「環境をODAの柱にせよ」
○宇佐美委員
新党さきがけの新人議員で、今回当選させていただきました宇佐美登と申します。広中長官には以前から大変環境面で御指導いただいております。本当にありがとうございます。○広中国務大臣
まず、御存じのように、途上国の十億人もの人々が貧困と飢餓の中で生活しており、毎日四万人もの子供たちが貧困に関連する原因で死んでいると言われています。一方で、増大する人口、不適切な開発が将来の人々が依存すべき土壌や水資源、森林、海洋資源などの壊れやすい基盤を破壊している。生命形態のはかり知れない宝庫でもある熱帯林は衰退し、それと同時に砂漠化も進んでいます。これらの課題に対応するために、先ほど竹内先生もおっしゃったように、国際協調の中で新しい時代が緊急に必要とされていて、そのような時代を招来させるためにも重要な、主要な役割を日本が果たすべきではないかと私、認識しております。そのような新しい国際的な日本の任務というものは、地球と人類を存続させるいわば持続可能な開発のための協調行動を促進することに焦点を置くべきだと考えており、その機は熟しているのではないかと考えております。
その中で、先ほども御質問あったように、ガット交渉のウルグアイ・ラウンドの中では、世界の貿易体制の規制が国内や地球規模での環境問題に与える影響を、残念ながらこれまで考慮することなく展開してまいりました。多くの貿易交渉者の方々が、環境規制を非関税貿易障壁ととらえ、貿易に与える影響に非常に懐疑的であったわけです。そして、ガット二十条なりの例外規定の中で、健康や安全のための貿易制限を許容しているにもかかわらず、環境の目的に対しての貿易制限というもの、これは明確化されていないわけです。しかしながら、スイス、オーストリア、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの国々が一九七二年、二十一年前に創設され、ほとんど一度も招集されることなく、その運営もされていなかったガットの中の貿易と環境に関するワーキングパーティーの再活性化というものを二年ほど前、九一年二月に提案したわけです。
そして、私考えるに、これらのワーキングパーティーを活性化する、つまり会議をどんどん行っていくということを日本が主張していくべきであり、既存の環境貿易、環境保護対策の貿易と可能性のある貿易自由化対策への影響と同様に、貿易政策の中で環境に及ぼす影響というものを研究していかなければならないのかと思っております。
重複した質問にもなるかと思いますけれども、改めて環境庁長官、広中長官、どのように考えていられるのか、御見解をちょうだいできればと思います。
私は、貿易と環境の問題、大変これから大切な問題だというふうに思っております。○宇佐美委員
この問題で重要なことは、繰り返しになりますけれども、貿易促進と環境保護を相対立するものとして考えるのではなく、アジェンダ21にもあるとおり、持続可能な開発の実現に向けて両者を相互補完的なものとして見ることにある、そのように考えます。環境に配慮した貿易制度のあり方については、このような観点のもとにきちんとした枠組みをつくる必要があるというふうに思っております。
環境は非常に大切でございますけれども、環境という口実のもとに貿易が保護主義的になってはならない、そういうことも含めまして検討することが大切だと思っております。
ありがとうございます。○鹿島説明員
ぜひとも、欧州自由貿易地域の国々が提案した、貿易と環境に関するワーキングパーティーの再活性化というものを日本としても主張していただきたいと同時に、貿易の所轄官庁である、窓口である通産省の方からも、今後の通商政策に環境というファクターをどうやって組み入れていくのか、その御見解をちょうだいできればと思います。
お答え申し上げます。○宇佐美委員
ただいま広中環境庁長官からもお話がございましたとおり、私どもといたしましても、今後の世界経済の持続可能な開発を進めて行くためにも、貿易政策と環境政策というものは相対立するものではなく、お互いに補完し合うべきものであるというふうに考えております。
このことは、長官からも御指摘ございましたけれども、昨年六月のリオデジャネイロで行われました地球サミットにおきましても確認されております。その際合意されましたアジェンダ21の中でも、貿易と環境の関係につきまして、ガット等の国際機関が必要な検討を行うべきであるということとされておりまして、現在ガットの、先ほど先生御指摘ございました環境と貿易に関するワーキンググループでありますとか、あるいはOECDの環境政策委員会等におきまして、広範な問題につきまして議論がただいま行われているところでございます。
先生も御指摘ございましたように、私ども通産省、貿易それから環境、両方に関係する役所でございますので、そういった立場からこれまでもこうした機関におきます議論に積極的に参加してきておりますし、今後とも貢献してまいりたいというふうに思っております。
どうもありがとうございます。○佐藤説明員
結局のところ、日本の未来というもの、言いかえてみると開発途上国の未来と複雑に結びついていると言うこともできます。というのは、今お答えいただいたように、ガットの中での貿易体制というものも重要でございますけれども、例えば開発援助に関する円借款の取り決め、これも非常に重要な問題になっており、昨年ODA大綱というものが発表されて以来、その中心施策として環境というものも取り入れられているわけです。
その中で考えてみますと、世界の人口の五分の四弱、そして世界の経済生産高の六分の一を占める開発途上国というものが、我々の経済、環境、そして安全保障というものでも非常に強い影響力を持っていると言うことができるのではないでしょうか。
そして、その円借款の取り決めに関して御質問したいと思うのですけれども、いわゆるこれはODA関係四省庁、経済企画庁、通産、大蔵、外務省の四つによって行われているわけです。開発援助に対する環境問題の取り組みの必要性は、OECDやアジェンダ21の宣言の中でうたわれているばかりでなく、我が国の、先ほど申しましたように、政府開発援助大綱の一つの柱にもなっているわけです。国際社会の流れや、国際的協調の重要性を考えたときに、この円借款の取り決めに関して現行の四省庁に環境庁も加えるべきではないかと思っております。これに関して、窓口、外務省の御見解をお願いします。
お答え申し上げます。○宇佐美委員
今先生お話がございましたとおり、援助の世界の中でも環境の保全あるいは環境への配慮ということは非常に重要な問題になってきておりまして、先ほど御指摘がありましたように、昨年政府の中で制定いたしましたODA大綱の中でも、環境の保全あるいは環境と開発の両立といった問題が我々として心がけるべき重要な問題として指摘されているわけでございます。
したがいまして、我々実際に援助の実施の過程でも、今円借款というお話がございましたが、円借款に限らず、その他のいろいろな援助を進める過程においても、環境への配慮、環境の保全の問題という点については、これは十分に重視し、一層の充実に心がけているわけでございます。
円借款につきましては、今お話がありましたような四省庁を中心として実際の運営業務が行われているわけでございますけれども、他方、円借款の対象とする分野というのは非常に多岐にわたっておりまして、いろいろなこういった専門分野について、実際のところ円借款の業務を行う過程でそれぞれのいろいろな専門の省庁、専門の部門と常に御相談をしあるいは意見を伺っていくということは、これはぜひとも必要なわけで、現にいろいろなその専門分野につきまして、関係省庁のいろいろな御意見を伺いながら進めてきているというのが実態でございます。
現在、まさにこうやって環境問題というものがますます重要になってきておりますので、そういった意味で、私どもとしても、その円借款のプロセスの中においても、環境庁との間ではますます従前にも増して十分にその連絡、協議を行っていきたいというふうに考えております。
どうもありがとうございます。○佐藤説明員
ただ、続けて御質問したいのですけれども、今おっしゃったように、必要に応じて環境庁に環境配慮の面で助言を求められるのかと思いますけれども、例えばその四省庁の中で、正直に言って、環境庁に比べれば専門外と言ってもいい省庁がどのような判断基準を持ってその必要性を判断しているのか、そのような疑問点がわいてくるわけですが、いかがでしょうか。
お答えを申し上げます。○宇佐美委員
これは実際に円借款、いろいろな検討のプロセスの過程において、例えば環境問題に関していろいろな調査団を出すとき、こういったときにも環境庁の方に加わっていただくといったようなこと、あるいは環境問題全般について、我々いろいろな援助の際の基準づくりといったものをつくる際にもいろいろな専門家の方、その中には環境庁の専門家の方も含まれるわけですけれども、そういった方々の意見、アドバイスを聞きながらそういった全体のベースというものをつくってきておるわけでございまして、そういったベースの上に立って、先ほどお話ありました四つの省庁が具体的には中心になって円借款の供与というものを行ってきているということで、その過程でまさにいろいろ意見を伺いながら進めてきているということでございます。
さらに御質問したいんですけれども、それでは、例えば先ほどからおっしゃっているのは、四省庁が中心に行っているということですけれども、私が質問というか御意見、御提案させていただいているのは、その四省庁体制に環境庁も参入して一緒に考えていくべきではないかということなんですけれども、その四省庁体制に環境庁の参入するデメリットというものがあるのかなとふっと思うわけですけれども、いかがでしょうか。○佐藤説明員
先ほど来お話を申し上げておりますように、円借款の実施の過程で特に環境の問題について環境庁からいろいろ意見を伺うということは非常に大切なことであろうと考えておるわけですけれども、他方、実際のその実施のプロセスにおいて、先ほど申し上げましたようにいろいろなほかの専門分野の各機関ともその都度必要に応じて御意見を伺うということも行ってきておるわけでございまして、そういった全体像の中で、まさに必要に応じ御意見を伺うという体制が現状では実情に即しているのではないかなと我々としても考えておるわけでございます。○宇佐美委員
どうもありがとうございます。
十五分という非常に短い時間なので、またこの問題に関しては追って御質問なり御意見を差し上げたいと思っておりますけれども、先ほどから十五分間使って御質問させていただいた内容は、おわかりのように、結局環境というものを保持していくために、地球環境というものを維持していくためには、以前から言われている持続可能な開発というものをいかに具体的に行っていくかということではないでしょうか。その中で、ぜひウルグアイ・ラウンドの中でも環境と貿易というものを取り上げ、同時に日本の政府開発援助においてもぜひ環境面にさらに重きを置いて御判断いただければと思います。これからも広中長官の環境面での積極的な御意見、施策というものを期待しております。
どうもありがとうございました。