「環境で世界をリードしてこそ日本+東洋のガラパゴス小笠原が危ない」
○宇佐美委員
新党さきがけを代表いたしまして、環境問題全般につきまして御質問をさせていただきたいと思います、
まずは、阪神大震災のお話からやはり私も始めさせていただきたいと思います。
一昨日、私も被災地の方に伺いまして避難所等をめぐりながら、本当に未曾有の災害という言葉がよく使われますけれども、目を覆いたくなるような惨状を見てきたわけでございます。これまで築き上げられてきた文明というもの、もちろんその中には建築物やそして人々の生活も入っているわけですけれども、その築き上げてきたものを一瞬にして、表現がよくないのかもしれないが、こっぱみじんと言ってもいいくらい、特に古い家が中心だったのかもしれませんけれども、崩れている惨状を見てきたわけです。
その中で、文明というものと自然というもの、自然の前にありましては文明というものがいかに小さいものであるか、人間の存在というものがいかに小さいものであって、それに対して何かもう環境問題と文明というもの、自然と文明というものを相対する二つの問題としてこれまで扱ってこられたことが多かったかと思いますけれども、そんなものではないのだということを非常に強く感じたわけです。
もう環境庁長官の方からも幾度となくこの大震災の問題の御答弁をいただいているわけですけれども、今申し上げたような自然の前における人間の小ささというものをどのように今考えておられるか、これは突然の質問なのですけれども、御認識をちょうだいできればと思います。
○宮下国務大臣
今度の大震災は戦後初めての、本当に私どもも予想しないような大被害でございました。
今委員の御指摘のように、我々の生活というのは文化、文明、農耕文化から始まって工業化文明になって、そして生活水準が上がってきて、都市も形成され、集落も形成されるというようになってきているわけですが、ああした自然の猛威のもとでは、今おっしゃるように壊滅的な破壊を受けたわけでございます。したがって、この問題は、自然のそうした破壊力に対してこれから人間の我々の文明社会をどうやって対応するものにしていくかという視点が大変重要だと思うのです。そういうことと、私は今環境庁長官でございますが、自然と我々の生活をやはりいろいろ考え直さなくちゃならない原点というものがあるのじゃないかと思うのですよ。
私は、文明社会の中で、古代文明の中でも、結局文明が栄えて、そしてその後は砂漠化しているというような現象もありますね。現在はまた近代文明が非常に盛んでありますが、しかし、またやがてそういう歴史は繰り返さないとも限りませんから、我々は謙虚に、自然との共生ということを言っておりますが、広い意味で地球と我々の生存という問題の根本に返って謙虚に受けとめて、いろいろな町づくりその他も考えていかなくちゃいけないなという思いでございます。
○宇佐美委員
ありがとうございます。
これから大蔵省の財政金融研究所が昨年七月に発表というか取りまとめた報告書についての質問をさせていただいた後で、それにかかわりましてまた哲学的なものも含めて長官には後ほど御質問させていただきたいと思います。
きょうは、今申し上げましたように昨年の七月一日に大蔵省の財政金融研究所、大蔵省がこのようなレポートというのは不思議なんですけれども、「環境保全型の経済発展の在り方に関する研究会報告書」というものが発表されておりまして、これがそうなんですけれども、その後、九月には本として「環境保全と経済の発展」という形で、この研究会の座長をやられていた輸出入銀行の保田総裁等が取りまとめた本も出されているわけです。
これまで環境問題といいますと、比較的産業に対してマイナスの部分が取り上げられたり、また経済面からしても余りプラスのイメージでとらえられにくい部分があったわけです。そんな中で、今回大蔵省の研究所が環境問題を十二分に取り上げたということは、それだけでも評価されるべきですし、その内容に関して言えば、一つ一つを明快な論旨のもとで議論されているわけです。
そんなわけで、その中で財政金融研究所といいますと余り外に出てこないのかと思っておりますけれども、どんな業務を行っていて、これまでどのような研究を行ってきたのかというのを、今回このようなテーマを扱った理由も含めて、その背景としてもお伺いしたいと思います。
○加藤説明員
財政金融研究所の主な業務につきまして、事務局員としてお答えいたします。
今なかなかこういう場所では余りお褒めいただくことはないのですが、大変過分なお言葉をいただいてありがとうございます。
まず、財政金融研究所でございますけれども、主として財政金融の基本的なあり方について中長期的な研究を行うということで設立されました。あわせて、部内職員に対する研修ですとか、法人企業統計調査あるいは財政史の編さん等を行っております。
そのうちの研究活動についてですけれども、これもさまざまな形がありますけれども、主に民間なりあるいは大学の研究者等の学識研究者に研究会というものをつくっていただきまして、それの運営を中心にして行っております。そこで自由な意見を出していただき、その結果を事務局が報告書として取りまとめるという、こういう形が一番ポピュラーな形であります。この環境問題についてのレポートもそういうことで取りまとめられたものであります。
それで、通常一年間に大体三つぐらいのテーマに取り組んでおりますが、平成五年度においては、今後我が国が二十一世紀に向けて直面していくであろう非常に大きい問題は何かということで幾つか取り上げました。そのうちの、例えば国内においては人口構造の変化の問題であろうということでこれを行いまして、また、グローバルに、地球規模で見た場合にはやはり環境問題であろうということでこの問題を取り上げた次第であります。
○宇佐美委員
これからの二十一世紀を考えた上で、国内では人口構造の変化、国際的にはこの環境問題を取り扱ったという今御答弁をいただいたわけです。
この本の中を見ますと、腰帯というのですか、「大蔵省財政金融研究所の英知を結集した本格的な「環境提言」の書。」というような広告もついているわけですけれども、本来ならば環境庁が率先してこのような研究報告書を出していただきたいところなんですけれども、実際には幾つも幾つも、非常に勉強になる、評価されてしかるべきレポート、本等が出ているわけですけれども、やはり大蔵省がやり出したということに対して、国民は、いよいよ日本政府という立場からしても環境問題を本気で取り上げるんだと思う契機になるかと私は思っております。
我がさきがけとしましても環境問題を党の政策理念の一つとして取り上げていて、党の理念として取り上げている政党は唯一だと自負している次第ですし、また、現在たまたま我々の代表が大蔵大臣を務めているということもあって、タイミング的にも、環境保全型の経済発展というものに関しての報告書がまとめられたということに対して、一政治家として、一環境問題を研究している者として、非常に評価をさせていただきたいと思っております。
続きまして、この論文を一つ一つ取り上げさせていただきたいと思っているわけですけれども、環境問題といいますと、この主要な対象を、特に地球環境問題をこれはメーンに扱っているわけですから、地球公共財として考えているというような基本認識から始まっております。そんな中で、「環境問題とは、人間の経済活動が量的拡大や質的変化により、環境に対し、その容量を超えて負荷を与え、その結果、環境の劣化・破壊が生じている現象である」という分析をこの報告書ではしていただいております。
私ももともと大学時代ストレスの研究をしておりまして、人間にとって、例えばストレスというものが全くない状態というのは永眠についた状態でありまして、生存していることは不可能なわけです。地球というものも、その自然というものを考えたときには、ある程度の負荷というものが与えられながら地球全体が、ガイアという考え方もありますけれども、発展していくわけでございます。ただそれが、この百年、二百年の中で余りにも量的な拡大が進んだり質的な変化があるわけでございます。そんな中で、地球環境問題においてこの経済活動というものをどういうふうに取り上げていくかというのが非常に重要な問題であり、その視点からこのレポートが、まさに大蔵省が研究した価値があるかと思っております。
これまで、先ほど申し上げたように、自然の前では文明というものが非常に小さい。経済成長というものと国際協力との関係をどう考えるかという問題と例えば環境保全と二者択一的に考えられてきたわけですけれども、先ほど宮下長官がお答えになったように、自然というものと我々の人間の生活というものをいかに共存していかなければならないかという問題が重要になってくるわけでございます。
宮下長官は、こちらのこの研究会報告書そのものをごらんになったことはございますか。もしあられれば、認識等を教えていただければと思います。
○宮下国務大臣
私もその本を読まさせていただきました。委員と同じょうに、環境庁でこういう本を出したらよかったのかなという感じすら持ちましたが、ただ、非常に体系的に書いてあります。そして、大体全般においてはもう環境庁の考え方そのものです。そして、後半に特に私が感じたのは、やはり経済官庁の研究所の問題であるだけに、経済と環境の問題、これにかなり焦点を合わせているなという感じを持ちました。これからの経済社会はやはり物を大量生産したり大量消費したり大量廃棄しておくだけでは済まされないという基本的な認識があって、経済の中にも環境を組み込んでいかなくてはいけないという意識が非常に強く感ぜられました。
したがって、これからの問題としては、従来は環境問題というと規制措置を中心にしてきたと思うのですね。こうしてはなりませんよ、これをするとペナルティーを科しますよということが非常に多かったと思いますが、その中では経済的手法についてもかなり述べられておられますね。そして一定の結論的なものも方向づけはなされております。したがって、これからの我々の社会というのは、いわば高度の工業化社会、経済社会でありますから、工業製品あるいは我々の使用する日常の製品についても環境の負荷の少ないものでなくちゃなりませんね。そういう意味で、リサイクルの問題なんかも、これはまずメーカーが、経済行為をやるときには、やはりリサイクル率も考えて、そして回収率も考えて、そして、ただ廃棄だけ、大量廃棄するようなシステムでなしに、循環過程をメーカー自体が、経済社会それ自体が考えなくちゃいけない、それにはどういう手法がいいかというような視点を強く感じました。非常にまとまったものだと存じます。
しかし、子細に検討すれば、いろいろの見解についてまだ私なりの意見も持ち得る項目もあるかなという感じはいたしましたが、大変よくできた本だと思います。
○宇佐美委員
今、長官のお答えの中で、やはり研究所というものが経済部分について非常に熱心にやっているということなんですが、経済的手法の導入というのが、環境基本法ができるときにも、その条文の作成のときに非常に問題になったわけですけれども、事実として、経済的手法の導入が世界的な動向として今どうなっているのかというのを企画調整局長の方から教えていただければと思います。
○石坂政府委員
お答えいたします。
環境基本計画の中にも今のこの経済的手法の世界的な流れというふうなものの記述がございます。これは、「製品・サービスの取引価格に環境コストを適切に反映させるための、環境に係る税、課徴金、預託払戻制度などの経済的負担を課す措置については、多数の日常的な行為から生ずる環境への負荷を低減させる点で、有効性が期待されるとともに、資源の効率的配分にも資する」そして「OECD、G7サミット、国連環境開発会議などで国際的にも推奨され、欧米諸国等においても様々な活用事例が見られる」ところであるという記述がございまして、そして、この経済的措置につきましてさまざまな角度から勉強すべきであるということが環境基本計画にも盛られているわけでございますが、お尋ねは、ただいま世界でどういうふうなことになっておるかということでございます。
これは大変範囲が広いので、非常にかいつまんだ御説明になるかと思いますけれども、例えば今申し上げました税の話でございますが、炭素税という構想がございます。これは現実に、オランダ、これは一九九〇年ですが、スウェーデンが九一年、ノルウェーが九一年、フィンランドが九〇年、デンマークが九二年に炭素税を、これらは一般財源として導入をしておるわけでございます。水準はさまざまでございまして、オランダやフィンランドは極めて安い税率になっておりますが、ほかのとごろでは、大体統一いたしましてガソリンに換算いたしますと一リットル十円程度というふうな税制をとっておるところでございます。
それからもう一つ、先ほど申し上げました中に課徴金という言葉がございましたけれども、課徴金もいろいろな形の課徴金がございます。その国その国によりまして、それぞれの流れによって扱っておるわけでございますが、例えばフランスやドイツなどでは排水課徴金というのを徴収をしております。
フランスでありますと、粒子状物質でありますとかあるいは酸素の消費物質、あるいは窒素化合物、塩類、有害物質というふうなものが一日どれくらい出ているかということによりまして流域を指定して、そして幾ばくかの課徴金を取る。その課徴金を取るのに流域ごとに財政公社をつくりまして、そして取ったお金で水質汚濁防止対策をするというふうなことをしております。
ドイツは、これは連邦としてCODとかあるいは重金属についてこうした課徴金を取りまして、これを水質の維持改善の支出に充てているというふうな例がございます。
そのほか課徴金としては、スウェーデンの課徴金でありますとか幾多の例がございますが、日本におきましても、代表的なものは硫黄酸化物、SOxにつきまして課徴金を取っておるわけでございまして、これによって我が国の硫黄酸化物は劇的に減少したというふうな過去の歴史をたどっておるわけでございます。
また、課徴金と若干違いますけれども、日本におきましても、最近、地方公共団体で廃棄物の有料化という動きが出ております。つまり、ごみの代金を取る、有料の袋を配ってごみを有料化していくというふうな動きがかなり広まってきているというふうな状況があります。
それからデポジット制度、これもございます。これは、地域的にはデンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、オーストリアといった、主として北欧の諸国がとっておる制度でありまして、やはり地域的な何らかのそういう経緯というふうなものがあるのだろうと思います。
そのほか、これはアメリカですけれども、電力会社、発電所ごとに出しますSO2につきまして、排出権売買というふうなシステムをアメリカはとっておるわけでございます。
いろいろな制度がございまして、それぞれの国でいろいろな歴史を積み重ねながらそれぞれの国に適した制度を採用しつつあるというふうなことで、さまざまな工夫が世界的になされているという状況でございます。
○宇佐美委員
わかりました。
世界でさまざまな経済的手法がとられておりまして、まあデポジット制度等は私の地元である大田区等で今酒屋さんを中心にさせていただいたりするわけでございます。
またこのレポートに戻りますけれども、加藤研究部長にせっかく来ていただいておりますので、先ほど、環境問題を国際的な問題として取り扱うんだということは拝聴しました。ただ、それでもいろいろな、比較した問題があるのでしょうし、また、この環境問題を取り扱って今回レポートを取りまとめたときに考えたこと、感じたことが幾つもあるかと思います。その点を、もう少し詳細に、どうしてこのようなテーマを扱ったのかということがあれば、お答えいただきたいと思います。
○加藤説明員
お答えいたします。
先ほど申し上げましたとおり、基本的には、環境問題というのが、地球規模で見た場合の、二十一世紀に向けてのやはり最大の問題であろう。これは、経済あるいは社会の基本のところに位置する問題であろうということです。
それに加えまして、環境問題といいますのは、これはもう言うまでもございませんけれども、経済なり社会のあらゆる活動にかかわっている問題でございます。したがって、これは本来は、個人がボランタリーな活動として、あるいは企業が社会貢献活動として行う、それにとどまるべきものではないのであろう。日々の生活なり企業活動のすべての面において配慮すべきものであろう。また、政策ということで考えましても、政策の一つとして行うということではなくて、すべての政策において配慮していくものであろう。
これは言いかえますと、経済なり社会のシステムの中に環境という要素をどう組み込むかということを考えないといけない、そういう問題であろうという認識がございまして、したがって、そうであれば、やはり大蔵省としても、経済政策を担当する一官庁として大いに勉強しておく必要があるでしょうし、また、経済社会のシステムをどう変えていくかということになりますと、財政なり金融政策というのが政策手段として非常に有効であることもあるだろうというようなことでこの研究会を設置した次第であります。
○宇佐美委員
今お話があったように、環境問題というのは、ありとあらゆる政策にかかわってくる問題であるわけです。ですから、先ほど諸先輩の委員の質問の中にも各省庁をお呼びしてお答えをいただかなければならない問題が重なっているわけでございます。
先ほど、政策手段として直接規制、経済的手段、教育啓発の三つが挙げられておりまして、それに加えて今加藤部長の方から、財政金融政策、伝統的と言ってもいいのかもしれません、そんな役割もあるんだというお話があったわけです。
そんな中で、今申し上げた規制なり経済的手法なり教育啓発などの政策の整合性というのが非常に重要であるはずでございます。この整合性をとっていかない限り、これは恐らく全省庁またがった形、ですから調整官庁としての環境庁が今あるわけでございますけれども、この問題についてどのように考えているのか、これは環境庁の長官からお答えをいただきたいと思います。
○宮下国務大臣
このたびっくりました環境基本計画は、まさに政策のあり方として、総合的であり、そしてまた調整的でなければならぬという発想に基づいております。
そして、環境行政それ自体が、結果として、各省庁がそれぞれ環境負荷を少なくするための各種事業をやっておるわけでございますから、各省庁のそういった面における環境配慮をより強く求めていくということが求められると思います。そういう意味で、政策の整合性というものを求めながら、環境庁が上位の官庁とかいうことではございませんけれども、少なくとも環境基準その他環境プロパーの問題については、これは環境庁が一元的に処理いたしますし、環境に関する各種の、ほかの社会資本の整備その他の目的を持ったものでも環境的配慮が十分必要なものは、いろいろ計画をつくる段階その他においても物を申して、そしてそれを、環境的配慮をそういう計画の中に織り込んでいただくということがぜひ必要かと思っております。
なお、この本の中で、経済的手法の中で、例えば私が感心したのは、銀行業務と環境というのは一体関係あるのかなと普通の人は思われますけれども、銀行が融資をするときには、やはり環境的配慮をやるということがとても重要だと思うのですね。これは、今経済界においても地球環境憲章みたいなものはつくられておりますけれども、経済界自身がそういう配慮をしておりますから、当然だと言えば当然なんですが、もっとグローバルに、やはりあらゆる領域で環境問題についての配慮と行動が求められている時代だと私は思います。
そういう意味でも、いろいろな面で示唆に富んだ指摘があったわけでありまして、感想もつけ加えさせていただきます。
○宇佐美委員
次の質問にさせていただこうと思っていた、そのことをまさに今長官が感心した事項として挙げられたわけですけれども、大蔵省が考えたときに、当然財政当局としての考え方もあるかと思いますけれども、今おっしゃったように、銀行業務を行っていく上でも、環境に対してどんな貢献をしているか、その企業をチェックする、もしくはその融資したプロジェクトによってどんな環境的な問題が起きているかというのを考えていくという点についても、非常に明らかにされているわけでございます。
同時に、企業が物事をするときに、経済活動をするときに、その中にどっやって環境問題への対応を入れていくかということが非常に重要であるかと思います。
アメリカにおきましては、「グリーン・コンシューマー」なり「ショッピング・フォー・ザ・ベター・ワールド」というような形で、買い物客がその本を参考にしながら、これが環境に優しいんだ、この会社が環境に優しいんだということをチェックしながら物を購入することも多々ございます。
日本におきましても、幾つかの会社や環境庁を含めた各省庁がそのような取り組みをしているとも伺っておりますし、これからは消費者が物を買うときに、いかに環境に優しい会社なのか、商品なのかということがチェック項目の一つであるかと思いますし、午前中の質問で長浜委員からの指摘があったエコマークに関しても、その取り扱われ方というのがそういう意味で非常に重要ではないかと考える次第でございます。
続きまして、このレポートをさらに追求していきたいと思うのですけれども、この中で、事業活動として企業が環境への配慮を経営判断に組み込む、今申し上げたようなことを考えながら、同時に情報開示を行うことも重要であると言われているわけです。今申し上げた、商品を購入するときに、どんな状況なのかという情報がなければ全く取り組むこともできないと思うわけです。金融機関もしくは経済法人が、企業がどのように考えていくかということをこれからもぜひ環境庁としてもどんどんインセンティブを与えながらやっていただきたいと思います。
この点について、情報開示ということについて、長官、何か御意見ございましたら教えてください。
○宮下国務大臣
ヨーロッパのOECD等におきましては、この問題についてかなり進んだ研究と結論が、中間的な結論も出されております。私は、企業活動をやるについて、環境面にどういう影響を与えるか、例えば自動車一つとっても、この車は何年すればNOxはこれだけ余計になりますよというような情報を、それは客観的にわかるわけですから、そういう開示義務というか情報公開義務を製品に課していくということによって消費者に安心感を与えるとか選択の余地を与えるという時代に私はなってくると思うのですね。そういうことがヨーロッパ等でも行われておりますので、これからの国際貿易というのは自由貿易を前提といたしますから、環境に対する配慮というものはやはりインターナショナルなベースで行われなくてはならないと思うのですね。
エコマークの話なんかも、これはJISマークとかJASマーク等はかなり普遍的になっております。しかし、エコマークは任意のものでありますし、そういう問題についても、スタンダードについてどうしたらいいかというような国際的な研究もなされていますから、我が国は我が国としてあるべき姿を模索すると同時に、世界のそういう国際的な研究成果というものもよく見きわめながら、この環境行政というものを経済との関係では広く深く考えていかないと、これからの国際社会の中における我が国の経済の発展というものもあり得ないのじゃないかなというような感じを私は持っております。
○宇佐美委員
加藤研究部長にお尋ねしたいのは、先ほどの金融の問題を引き続き考えるならば、この問題を取り上げることによって、環境に対しての視野を融資等の中に含むことによって、国際的に世界をリードするような金融機関をつくっていくことができるのではないか、そんなような内容も書かれているわけですけれども、その点についての調査会での議論等がございましたら教えていただきたいと思います。
○加藤説明員
今の点にお答えいたします。
研究会におきましては、それほど具体的に、日本の金融機関はどういう行動をとるかといったようなことについて詳しい議論が行われたわけではございませんが、ただ、ヨーロッパなりアメリカなり、アメリカにはスーパーファンド法というのがあり、結果的にということではあるのだと思いますが、やはり金融機関がかなりの程度環境というものを念頭に置きながら融資等を行っている。あるいはヨーロッパでは、これはすべての金融機関ということでは必ずしもないかもしれませんけれども、主要な金融機関というのは、むしろかなり積極的に環境というものを念頭に置きながら融資の審査等を行っている。そういう事例が、これは世界的な潮流として強くなってきているのではないか。
そういうことを考えた場合に、日本の金融機関も、それが世界の流れとして最後にくっついていくということではなくて、日本の金融機関というのはやはりその分野においては世界のリーダーとして活躍しているわけですから、むしろこの環境という面においてももっとそういうことを考えながら行動するべきではないのかといったような議論がございました。
○宇佐美委員
非常に心強く、大蔵省の方がそういうふうに金融関係の話をなさると、すぐにでも、あしたからでもなるのじゃないかという期待を私はしてしまうのですけれども、現実は非常に難しくて、一歩一歩の部分もあるかと思いますけれども、少なくともその方向性に従って財政当局としても指導等を考えていただきたいと要望させていただきたいと思います。
同時に、財政当局として、公共投資の問題もこの報告書の中ではございます。環境に悪影響を与えてきた政策を見直し、公共投資の配分を是正すべきである、環境保全的な都市構造や交通体系を整備したらどうかというような、厳しい批判とでも言っていいような議論が書かれているわけでございます。
公共投資の問題というのは、環境問題をやっていると常に議論されているわけですけれども、私の知る限りのデータでは、残念ながらこの三十年余り公共投資の配分というものはほとんど変わらずに来てしまっているわけです。しかしながら、中でも環境問題や国際貢献の比率というのは、少しずつではありますけれども上がってきているわけでございます。公共投資に関してのこの見解というものを加藤部長の方からいま一度詳しく御説明をいただきたいと思います。
○加藤説明員
お答えいたします。
今の点につきましても、公共投資の一つ一つについて、この点についてはこうすべきだといったような詳細な議論が行われたわけではございません。しかしながら、例えば一方で先ほど先生の御指摘のような経済的な手段というものがとられて、これはいわばフローの面で人なり企業なりを誘導していく手だてだと思いますけれども、そちらで環境保全的な政策をとる、一方で、公共投資、これはストックにかかわるものだと思いますが、そちらでいわば整合的ではないことをやっていくのでは全体としてのバランスでよくないのではないか、まさに先ほど先生御指摘の全体として整合性のある体系ということに反するのではないか、そういう観点から、フローの面だけではなくストックにおける公共投資についてもよく考えていくべきだというような議論が行われておりました。
○宇佐美委員
このレポートの結びの部分でどきっとするような文章が出てくるわけです。「人間は地球を必要としているが、地球は必ずしも人間を必要とはしていない。我々は、自らの手で持続可能な道を見出していかざるを得ないのである。そのための自制心と英知が今求められている。」そんなような文章でございます。
「地球は必ずしも人間を必要とはしていない。」というところには、恐らく何らかの提案というか提議というものを考えてお話をしているのかと思いますけれども、事務局の当事者として、加藤部長、これはどのような真意があったのか、お答えいただきたいと思います。
○加藤説明員
お答えいたします。
その報告書の意味するところは、ややきざなせりふではあるかと思いますが、これは当たり前のことだと思います。人間は地球上における生態系の一部である。人間が自然環境と別個に保護する対象として自然環境があるのではなく、別個に存在するのではない。したがって、自然環境が劣化していけば、人間活動なり人間の存続自体が危うくなるのではないか。地球に優しいという言葉が使われておりますけれども、それは何も地球のことを考えて地球に優しくということではなくて、やはり我が身のことを考えた場合に、自然環境というものを大切にしていく必要がある。このことを基本に立ち返って改めてよく認識して、持続可能な人間社会のあり方というものを考えないといけない、こういう趣旨であると思っております。
○宇佐美委員
先ほど冒頭部分でストレスの話をさせていただいたのも、人間というものと地球というものの存在が自然環境という調和の中で生まれているわけです。人間でいえばホメオスタシスという一つの補完的な部分があるわけですけれども、地球と人間がお互いに助け合うというよりも、共生じていく部分が非常に重要ではないかと思っております。
このレポートに関してはこの程度で終わらせていただきまして、残り三分でなんですけれども、その自然をある意味で壊してしまうのではないかという問題がございましたので、きょうはその点の説明だけしていただきたいと思っております。
というのは、どこかと申しますと、東洋のガラパゴスと言われている小笠原の問題でございます。
これは、東京、こちらの方から大体千キロ離れたところでございまして、私の選挙区でもあるわけですけれども、そちらの方に空港建設というものが持ち上がっております。これは、一昨年がたしか返還二十五周年ですから、もう二十何年間の小笠原の島民の皆さんの悲願でもあると言われております。実際に私、昨年五月に建設予定地と目されていた児島のところにも山を登りまして拝見しに行きました。小笠原は現在のところ、船で大体片道二十八時間、週に一便しかございませんので、一週間かかって往復することになるわけです。確かにその不便さはあるものの、そこに存在する環境というもの、自然というものは本当に驚くほどの美しさがあり、これから問題にしようとしている兄島の空港建設地と父島、兄島には人が住んでいないわけですけれども、父島につなぐロープウエーの部分の瀬戸の部分というところが恐らく日本でも一番きれいだと言ってもいいような、海底のテーブルサンゴが広がっている非常に美しい部分なわけでございます。
そんな中で、東京都が今回二月六日ですか、最終結論というような形で小笠原諸島への空港設置を無人の兄島にするということを決定されたわけですけれども、それに対して環境庁が都に説明要求をしているという記事を二月八日の毎日新聞で拝見いたしました。現在までの小笠原空港の経緯と、今どのような説明を要求しているのか。私は、環境問題に対してというか、この空港建設に対しては非常に慎重な立場をとっているわけですけれども、恐らく環境庁とともにこの空港建設を考えていく立場がとれるかと思っております。その点について端的に御説明ください。
○奥村政府委員
お答えを申し上げます。
小笠原諸島の復帰以来、東京都において空港整備構想が検討されてきたわけでございますが、具体的な計画として、平成元年に兄島に千八百メートルの飛行場を建設するという計画が公表されております。この発表に対しましては、日本生態学会や日本自然保護協会などから反対の意見表明が出されておるところでございます。
その後、平成三年十一月に第六次空港整備五カ年計画が策定をされた際に、自然環境へ配慮した位置や規模の検討、それから航空需要の見通し、費用負担などの三課題が解決した段階で新規事業に組み入れる予定事業という位置づけがされているところでございます。先生御指摘の本年二月、東京都がこれまで行ってきた各種の調査などの結果をもとに、東京都の方針として兄島ということに決定をしたというような発表がされたところでございます。
私どもといたしましては、小笠原諸島は風致景観や野生動植物の保護の観点から重要な地域であると認識をしておりまして、慎重に検討していく必要があると考えてきたところでございます。今般、東京都における発表をお聞きしたものでありますので、都の行った各種調査の結果をどのように評価し今回の決定を行ったかについて、お話をお聞きしているところでございます。
今後、私どもとして、空港整備計画への位置づけなど、各種の段階があるわけでございますが、慎重に検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○宇佐美委員
もう時間が参りましたので、これ以上の質問は遠慮させていただきますけれども、先ほど竹内先生の方から茨城県の知事の話もありましたけれども、我が東京都におきましても、やめると決めている人が小笠原に空港をつくりましょうということを言い出します。それも直前になりまして、十二月末に調査結果を発表して、この二月にあっという間に、環境庁との相談もないままにいきなり決めてしまうわけです。これまでの施策に関しても非常に問題点があると東京都に対して問題点を指摘してきたわけですけれども、この点についても、以後、この国会の場をかりながら追及させていただきたいと思っております。
本日は、どうもありがとうございました。