「民間を圧迫するような郵便貯金会館などいらない」
○宇佐美分科員
新党さきがけを代表いたしまして、郵政関連の予算案また予算案関連の特殊法人、認可法人のことについて御質問をさせていただきたいと思っております。
去る昨年の十二月十七日朝日新聞、これは一面と十一面ですか、この中で郵便貯金振興会のあり方についての議論というものが提示されております。これまでも臨調などで郵便貯金振興会のあり方や郵便貯金会館のあり方というものが議論されてきているわけですけれども、改めまして郵便貯金振興会の役割について、また郵便貯金会館そのものが幾つあるのかという基本的なデータから教えていただきたいと思います。
○谷(公)政府委員
お答えいたします。
まず、郵便貯金会館の数でございますが、全国に十五カ所ございます。
それから、郵便貯金振興会の役割でございますけれども、郵政大臣は、郵便貯金事業に対する国民の理解を深めていただくための方策といたしまして、どなたでも広く国民に御利用いただけるような施設を設置することができることとされております。この施設の管理運営につきましては、国みずからが行いますよりも民間の創意工夫を生かした方が経済的、効率的に行えるのではないかということで、民間の発意に基づきまして設立されました法人でございます郵便貯金振興会に委託するという形になっております。したがいまして、郵便貯金振興会の役割でございますが、このような施設の管理運営を委託を受けて行いますことと、それから郵便貯金に関する調査研究及び出版物の刊行を行うことということになっております。
○宇佐美分科員
今、郵便貯金の国民の理解を深めるのだというのがその役割として郵便貯金会館の御説明があったわけですけれども、記事によりますと、ホテルなど建設用のものの土地を大量に購入していく、また現在でも、日光ですか、では施設を現実につくっていく中で、宿泊施設として非常に地元でも議論になったと書かれているわけでございます。
民業圧迫というものがないようにというような議論がこれまでもされてきているわけですけれども、郵便貯金会館として想定している顧客というものがあるはずです。どのようなものを考えているのか。
○谷(公)政府委員
お答えいたします。
先ほど申し上げましたように、この施設の目的は、広く国民に御利用いただくことによって郵便貯金に対する御理解を深めていただくということでございますので、利用者については特定をいたしておりません。限定なしに、オープンな施設として設けられておるものでございます。
○宇佐美分科員
オープンな施設として設けられているということは、いわゆる近隣にホテルがあれば当然ホテルの顧客と戦うことになるわけですし、また、近くにないとしても、安いものがちょっと離れたところにあるとなれば、当然そちらの方に我々のような市民というものは移っていくわけでございます。そうしておりますと、先ほどから申しておりますように、民業圧迫ということで競争が起きてくるわけでございますけれども、このことに関して、昭和五十八年三月十四日、臨時行政調査会の最終答申の中で、郵便貯金振興会を名指しで指示しているというか指摘している部分がございます。その内容を御説明ください。
○谷(公)政府委員
お答えいたします。
先生御指摘の五十八年の臨調答申におきましては、郵便貯金会館につきまして、原則として会館の新設は行わないこととするとされております。
○宇佐美分科員
原則として新しいものをつくらないんだということをしっかりと臨調の答申の中で言われておりますし、また、その後の同年五月の閣議においては、「施設関係法人については、民間と競合する会館、宿泊施設等の新設を原則的に中止するとともに、既存施設の運営の民間委託等を進める。」としているわけでございます。
「民間と競合する会館、宿泊施設等の新設」ということの中で、どういう施設が民間と競合すると考えているのか。私の考え方からすれば、先ほどから申しておりますように、顧客がオープンだということはすべての顧客を対象にしているわけですから、自然と競争が起きてしまう。つまり施設があること自体が競争なんだ、競合することになるのではないかと考えているわけですけれども、その点についてお答えください。
○谷(公)政府委員
御指摘の臨調あるいは閣議におきます決定の趣旨は、宿泊を中心としますような機能を持ちました施設につきましては、民間と競合するということで、原則的にその新設を抑制するという御趣旨だと思います。
私ども、今先生御指摘の、計画しております施設につきましては、そういった宿泊を中心とする施設として考えておるわけではございませんで、例えばカルチャー教室、ギャラリー、ホール、会議室、貯蓄相談センター等の、地元の要望を取り入れた、地域の特色を生かした新しいタイプの施設といったようなものの設置を検討しておりまして、その際にも、その機能につきましては、地域の開発計画あるいは地元の関係します民間の事業者の方々の御意向等を踏まえまして、その具体的な建設に当たっていきたいと考えております。
○宇佐美分科員
今、二つチェックしたい部分があるわけですけれども、一つは、臨調答申を先ほど答えていただいたように、「郵便貯金振興会については、原則として会館の新設を行わない」という指摘が臨調でされているわけです。これに対して閣議決定は言葉は変わっているわけですけれども、臨調答申そのものをどういう考え方で郵政省として受けとめているのかというのがまず第一点。
第二点として、この文章の中では、「民間と競合する会館、宿泊施設等の新設を原則的に」ということで、「民間と競合する会館」の後に句読点が入っているわけです。つまり、民間と競合する会館の新設を原則的にというような形で文章がかかっていくわけですから、宿泊施設でなくても、競合する場合には当然のことながら原則的に中止するというわけでございます。
先ほど、ホールなどということでの利用だと言われていますけれども、バブルが終わった現在、土地や貸しビルが余っている中で、現在は貸し会議室等があるかと思います。貸し会議室等とこれは当然のことながら競合するわけでございますから、第二点目としては、民間と競合するというこの指摘に合わないのか、合っているのか、どういう認識でいるのか、その点をお答えください。二つお願いします。
○谷(公)政府委員
当時の御指摘は、宿泊機能を中心として民間と競合するというふうにお考えだったと思います。しかし、先生御指摘のように、時代が変化いたしますと民間と競合する分野にも変化が生じてくるということは当然だろうと思います。私どもとしましては、当時の状況は状況として、その趣旨を踏まえて対応していくというふうに考えております。
○宇佐美分科員
恐らく局長は、お話ししながらも、自分で矛盾を感じながらお話ししていると信じているわけですけれども、役所というものは基本的に文章を追いかけて施策というものをやっていくにもかかわらず、時に、臨調答申では宿泊施設というものを想定した文章だということを言います。行間を読めということなんでしょうけれども、少なくともこの文章の中では原則として会館の新設を行わないんだということを指摘しているわけです。この臨調答申そのものをどういうふうに考えているのかというのが第一番目の質問です。その点をはっきりとお答えください。
○谷(公)政府委員
臨調の答申の趣旨につきましては、先ほど申し上げましたように、民間と競合するような、当時といたしましては宿泊機能が中心と思いますけれども、そういった施設の新設は原則としては行わないようにという御趣旨であったわけでございます。私どもとしましては、そういう趣旨を含めまして、民間と競合し、民間に圧迫を与えるような施設をつくらないという意味でこの御趣旨を守るように運用していきたいと考えております。
○宇佐美分科員
ですから、その趣旨というのはどこの文字から読めるのか教えてもらえますか。
○谷(公)政府委員
「郵便貯金振興会については、原則として会館の新設を行わないこととする」というふうに臨調答申では書いてございます。当時の会館は、問題となっておりましたのは主として宿泊機能という意味で問題とされていたと考えております。したがいまして、当時の臨調答申の趣旨は、直接的には宿泊機能を中心とする施設という御趣旨であったと思います。
○宇佐美分科員
いいですか、お役所の方々がお話しするときには、例えば宿泊施設を想定してという場合でしたら、宿泊施設等の新設をというような形で文字に入ってくるはずなわけです。入っていないということは、原則として会館の新設は行わないと、この文字のとおり受けとめていただきたいと思います。
これは水かけ論になってしょうがないですし、現実的には政治の世界の中で、郵便貯金会館そのものを建ててくれという要望も受けた形で郵政省の方も動いていらっしゃるのでしょうから、その点については一政治家としても反省というか、過去に対しての反省はあるわけでございます。
それでは、平成六年度の予算の中の状況と、もう執行している部分もあると思いますけれども、来年度予算の中での扱いとして土地の購入等を考えているのかどうか、その点を教えてください。
○谷(公)政府委員
平成六年度におきましては、カルチャー教室、ギャラリー、ホール、会議室等の施設を中心とします、私ども、それを地域文化活動支援のための施設と仮に呼んでおりますけれども、こういった施設について三カ所の購入をいたしました。平成七年度予算におきましては、政府としてはニカ所の購入を予定いたしております。
○宇佐美分科員
「駅前一等地を大量購入」という見出しで書かれているわけです。閣議決定無視なのか、そんな疑問も上がっている中で、先ほどから申しております臨調答申からすれば、文字を追いかけてみれば、どう見てもその会館の新設というのはおかしいと考えて普通ではないかと私は思っているわけです。そんな中で、批判を受けている、そして行革というものを歳出削減の意味でも考えているこの御時世の中で、土地の購入というものをまだやるのかということは非常に疑問なわけでございます。平成七年度においての土地の購入そのものを中止すべきではないかと考えているわけです。その点はどうお思いですか。
○谷(公)政府委員
私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような機能を備えました施設につきましては、一部民間で行われておるところはあるかもしれませんけれども、全体的に見まして、民間ではなかなか経営の難しい施設であろうと考えております。こういった施設について、私どもが地元の御要望を酌みながら提供させていただくという考えておりますので、平成七年度におきましてもそのように運びたいと考えております。
○宇佐美分科員
郵便貯金振興会の概要の御説明をいただいたことがあるわけですけれども、運営方法で国からの補助金、交付金なしということを大々的にというか、書いてあるわけですけれども、当たり前でございまして、土地の購入等は政府が直接やっているわけですね、郵政省を通した形の中である建物の中で運営するだけですから、どなたがやられてもある程度の利益が出て当たり前なわけです。固定資産税を含めて税制的な優遇措置も受け、土地の購入そのものに経費がかからなかったわけですから、運営そのものが、例えば隣のホテルよりも安くできますよ。安くできれば競合するわけですし、高くというか同じ値段にすれば、その税金の分だけでも利益が出て当たり前なわけでございます。当たり前のことが、今言われている説明ですと競合しないのだと言われても、納得できないわけでございます。
来年度以降の予算に関しましては、今国会で今議論されているわけですけれども、その執行の中におきまして、行革というものをさらに一層考えた上で、ぜひとも郵政省としても取り扱っていただきたいと思うわけですけれども、これまでの質疑応答を受けまして、郵政大臣の方、どのような見解、御認識をお持ちか、お尋ねをさせていただきまして、終わりたいと思います。
○大出国務大臣
今何回か答弁を申し上げておりますように、地域文化活動などの支援をしていく、そういう施設を考えたいということで、地域の開発計画などとの整合性を考えながらやっていこうということになっておりますので、今の御質問の趣旨を体しまして、慎重に相談をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○宇佐美分科員
私の質問の趣旨を踏まえたと、体してと言っていただいておりますので、ぜひともこのあり方をさらに郵政省の中でも議論していただきたいと思うのと同時に、与党の行革プロジェクトの中でもこれから議論がさらに白熱していくことかと思いますし、また、この奥にあります財投の問題に関しましても政府系金融機関の議論とともになされていくわけでございますので、ぜひともその議論の行方をごらんになっていただきながら、同時に郵政省の中でも、新しい郵便貯金会館のあり方というもの、基本的に施設はつくらないんだという認識のもとで御議論をしていただきたいと思います。
きょうはどうもありがとうございました。