「大型二輪の免許はなぜ取りにくいのか+細川内ダムはムダだ」

○宇佐美委員

 新党さきがけの宇佐美登でございます。この春に通過しました大型二輪教習等に関する質問を前半部分させていただきたいと思っております。

 通常国会におきまして大型二輪車の教習所における教習の導入ということが図られておりまして、十八カ月以内に施行するために今御準備を警察庁を中心にやられているというふうに伺っております。大型二輪車等に関する実験教習というものが現在行われております。平成七年九月から、ことしの九月から十一月まで、実施場所が十都府県、十一指定自動車教習所で行われていると情報をいただいております。

 その中で、基準教習時限というもの、今、普通自動車、技能三十四時間、学科三十四時間なんですけれども、大型自動二輪、これはあくまで実験なんですけれども、技能四十時限、学科三十二時限ということで、技能に関していえば普通自動車よりもさらに多い時限数を今実験として検討なさっている。

 普通自動二輪、いわゆるこれまでの四百cc以下のものですね。中型と言われるような感覚のものですけれども、技能、これまで十一時限だったものを二十二時限、学科二十三時限だったものを三十一時限、実験として今行っているというような、今の実験教習の概要をもとにお聞きしたいことが幾つかあります。

 これまでの大型自動二輪、検定場での検定、非常に難しい、大体一二から一三%の合格率しかないと言われております。ただ、現実的には、ある地域の検定場においてはさらにパーセンテージ、合格率が低いというようなことも言われておりました。その意味で、今回自動二輪の教習を導入するということは非常に意義のあることだと二輪車を愛する者としては思っているわけですけれども、ただ、教習所が今回この大型自動二輪の教習を導入するに当たって、教習所の新設基準というのは九五%の合格率が必要なわけです。百点満点七十点の技能試験を受ける、その九五%の合格率が必要だということなんですが、通常、他の教習車種の追加に当たっては、人的基準、いわゆる有資格の指導者や検定員の有無など、物的基準、規定のコースがつくれるかなど、この点についてのみ認められれば公安委員会の指定が受けられるわけですけれども、今回の場合、新設基準と同じように九五%の合格率が必要だということで、非常に、過度とも思われるような基準だという認識を私はしているのです。

 あくまで今回、実験教習の最中であって十二分な御返答がいただけるかどうか疑問の点もあるのですけれども、これまで通常、国会、立法府の議論というのは、どうしても法律をつくる、当たり前のことですけれども、その議論に終始しまして、それ以降、政省令の問題であったり実際の運営というものがされる途中の間というのは非常に白紙委任の部分が強いと思います。

 そんな意味で、実験教習の最中ではありますけれども、質問をさせていただきたいと思います。今申し上げた、新設基準というもの、教習所の実施が簡易に導入できるような方針というもの、現状をどう考えているのか、局長、御答弁ください。

○田中(節)政府委員

 大型自動二輪教習を教習所にやらせる、教習所への技能検定の導入につきましては、本委員会におきまして十分な御審議をいただきまして先国会で法律を通させていただきました。現在、それに基づきまして、御指摘のように実験の教習をやっております。

 それで、私どもといたしましては、委員会でもいろいろ御指摘がございましたけれども、現在の大型二輪ライダーの水準を下げることのないようにしてほしいというような御意見を踏まえまして、一通りの教習が終了した者の九五%以上の者が技能試験においては合格点に達しているという従来の新たな指定の基準、これにつきましては維持してまいりたいというふうに考えております。

 ただ、従来、今お話しのように、合格率が一二、三%であるというようなお話がございましたけれども、今回私どもが九五%と申しておりますのは、一通りの教習が終了した者の中で判断いたしますので、従来の数字とは必ずしも同様な判断はできない、数字だけでは判断できないのではないか、むしろ今回はきっちりと教習を終了している者が受けるわけでございますので、この九五%の数字というのはあながち無理な数字ではないというふうに考えておるところでございます。

○宇佐美委員

 これまでの一二から一三%の合格率というもの自体が、これまでの警察の考え方、大型の自動二輪というものは危険だ、できるだけ免許を取らせないようにしようという意向があったことは否定し得ないと私は思っているわけです。

 そんな意味で、今回教習所で教習が行われるに当たっても、できる限り教習所が導入しやすい形、もちろん運転免許ですから、取得者が安全性を確保できる、混合交通の中で二輪車が他の交通機関に対して迷惑をかけない、当たり前のことであります。事故が起きないような、そんな教習が行われることは当たり前でありますけれども、それでは、例えば、今回、実験の中におきまして、中型では四十キロ、時速四十キロからの急制動教習というものを行っておりますけれども、大型に関してのみ五十キロの急制動をやろう、そんな実験教習をやっておられます。

 これはどういう理論的裏づけがあるのか。例えば、二般交通の中では、一般道路は最高速六十キロだと思いますけれども、六十キロから例えば急制動というような理論づけではなくて、中型だから四十キロ、大型だから五十キロという分け方そのものが、考え方として教習の中で適さないのではないか、そんなふうな認識をしております。オートバイが大型になれば、もちろん性能が高まっていく部分もあるわけですけれども、制動力そのものに関して言えば、中型でももちろん重いオートバイはございますし、その微妙な範囲の中で、混合教習が実際に教習所で行われている中で、その十キロの違いによる急制動教習というのが、実は教習所における混乱を招く可能性も否定し得ないものと思います。

 さらに、別の話になりますけれども、普通二輪車、中型二輪四百cc以下の話ですけれども、今回、それではどういうものをその教習プログラムで検討しているのか。これまで十一時限であった技能が倍になるわけです。大型の教習を導入すると同時に、今度は今まで比較的取りやすかった中型二輪まで取りにくくなってしまうのじゃないか、そんな危惧が特に若い世代の方々から寄せられているわけですけれども、その点についてどのように考えていますか。

○田中(節)政府委員

 御質問は二点ございました。

 現在実験教習でやっております大型自動二輪の制動、いわゆるブレーキに関する教習でございますが、これは五十キロメートル毎時の速度でやっている。現在、普通、いわゆる中型でございますが、これは四十キロメートルである。この差はどうかということでございますが、現在私どもで行っております実験教習では、安全を十分確保しながら、できるだけ実勢速度に近い速度からの教習を行う。また、実際の運転により役立つ教習にしようという基本的な考え方によるものでございまして、普通自動二輪との違いは、その重量とか高い加速性を考慮して、そのようなスピードで教習をやっているわけでございますが、今委員御指摘のような御意見が実験教習の過程でも出てきております。

 私どもといたしましては、その実験教習の結果等を踏まえながら、最も適切な数値をどういうふうにして設定するかということを検討してまいりたいというふうに思っております。

 それから、普通自動二輪の教習プログラムの関係でございますが、これは普通自動車免許の教習プログラムを見直す際に、自動二輪の方だけは、普通自動二輪の方は残っておりました。今回危険予測とかあるいはその他の従来盛り込まれなかったところの車両特性を踏まえた技能水準の向上というようなものを配慮してカリキュラムの見直しをしておるところでございます。技能教習では、バランス走行の充実とかオーバースピードのカーブ走行とか交差点事故のケーススタディーというようなものも入れて検討しております。また、学科教習につきましては、適性検査結果に基づくところの行動分析、あるいは危険予測のディスカッション等々を含めております。

 現在、実験教習でございますので、この数字は確定的なものではございませんけれども、できる限り、お話のように、普通自動二輪あるいは大型自動二輪も含めまして、今回のいろいろなことによりまして、いろいろな措置によりまして受けにくくなったというようなことではなくて、優良なドライバーの育成に寄与する、こういうような内容のものにしてまいりたいというように考えておるところでございます。

○宇佐美委員

 それでは、引き続き教習課程なのですけれども、今回大型も中型も運転シミュレーターというものを導入しようというようなことを言われている。実際にそんな教習の実験教習をやっておられますか。

○田中(節)政府委員

 自動二輪につきましては、かねてから普通自動車の運転免許取得につきましては路上教習が義務づけられておりますけれども、自動二輪については路上教習が交通安全上なかなかできない、これにかわる措置がないかというような御指摘が委員会でもございました。路上教習にかわる効果的な教習を実施する必要があるということで、現在大型自動二輪の実験教習の中ではシミュレーターの導入ということを前提とした教習をやっていることは、御指摘のとおりでございます。

○宇佐美委員

 このシミュレーターというものが今回の教習課程の中では三回使われる、そんな予定だと聞いております。

 その一つが第二段階の七、車両特性を踏まえた運転。車の傾きぐあい、二輪の車両特性を意識し、注意深く路面の状態をつかむことができる。第三段階、法規走行。交通法規に従い、市街地の走行を体験する。第四段階、大型教習に関しては項目七でありますけれども、危険を予測した運転。他の交通とのかかわりにおける危険を的確に予測し、危険の少ない運転行動を選べる。

 この三つのうちで言えば、最後の第四段階、危険予測ということに関してある一定の論理性というのは感じられるわけですけれども、その前の前段階二つ、車の傾きぐあい等の二輪車の特性もしくは第三段階の交通法規に従ってというような話に関して言えば、実際にオートバイに乗った教習が行われているわけです。第二段階の七ということで、比較的もう深まっている中で、そういうシミュレーターというものの必要性は、全くと言ってもいいぐらい、私個人の意見で言えば、感じられないわけです。

 今回、道交法の改正で、普通自動車教習のシミュレーターは採用しても、シミュレーターを使わずほかの教習方法で実施してもよいというふうにされていると思いますが、その認識で正しいですか。

○田中(節)政府委員

 普通自動車の教習カリキュラムの中に、シミュレーターの問題につきましては、必ずしもシミュレーターを導入しなければならないということではなくて、教習科目につきましてはシミュレーターによってもいいし、そうではなくてもいいものはございます。それは御指摘のとおりでございます。

 ただ、私どもとしては、今御指摘のように、現在の実験教習では三時限、お話のとおり、やっておりますけれども、これで十分なのかどうかということにつきましても、実験教習の中でいろいろ検討させていただきたいというふうに思っております。

○宇佐美委員

 というのは、シミュレーターというのが大体一台一千万円ぐらい、もちろん開発コストとそれをどれだけ買うかという需要で大分違うわけですけれども、一説に一千五百万円近いということも言われております。

 子供が減っていく中で、学校も厳しいように、自動車教習所も経営がますます厳しくなっていくわけです。昨年突如として神奈川の一つの教習所が経営をやめられました。これは組合との関係でやめたというようなバックグラウンドはあるものの、経営が非常に厳しい中で、一千万円する機械というものの導入が本当に必要なのかどうかということ、実験教習を行っている教習所の方々からも意見が出ている。その情報をとられていると思っておりますので、今おっしゃったように普通自動車教習のシミュレーターのように他の教習方法で実施してもよいという考え方を導入することが非常に自然な姿だと思っておりますので、その点をぜひ御考慮いただければと思っております。

 最後に、今回のこの教習に関して言えば、この通常国会のときにも申し上げましたように、やはり中型なりの経験というものを持たないで大型二輪を運転することが、私からすれば非常に危険を感じるわけであります。同時に、普通二輪免許保持を前提に考えれば、教習項目の簡素化も図ることができるのだと思います。普通自動車よりも多い大型自動二輪、技能四十時間、学科三十二時間、合わせて七十二時間の教習が必要かということに関して、できる限りその効率性というものを考えていただきたいと思います。

 説明によれば、これまでの自動二輪というものの教習、特に学科の分野でも普通自動車と同じだけの学科が必要なのではないか、そんな議論の中で、ふえていると聞いておりますが、以前にも御指摘したように、学科の勉強の中ではむだなもの、必要の非常に少ないものと思われるものが種々含まれております。逆に技能の部分で言えば、これは自動車のことになってしまいますけれども、例えばエンジンオイルをかえる、バッテリーをつなぐ、パンクしたタイヤを交換する、これらの通常運転の際に必要だと思われる技能教習というものをぜひ早急に導入をいただけるよう御要望を申し上げたいと思います。その点については意見を表明するにとどめさせていただきます。

 次に参ります。

 続きまして、交通安全という面から、高知県と徳島県を結ぶ国道百九十五号線についての質問をさせていただきたいと思います。

 特にその中でも木頭村、木の頭の村と書く村があります。ここのユズというのは、一般市場に出回っているようなユズの大体十倍から二十倍ぐらいする、本当に貴重なユズの産地であり、林に囲まれた風光明媚な場所なわけでございます。そこに細川内ダム、細い川の内、細川内ダムというものが建設予定ということで、この数十年、二十数年間、地元木頭村が真っ向から反対をしまして、計画がとんざしている現状であります。

 私も、長良川河口堰の反対運動、この細川内ダムの反対運動ということで、一生懸命必要のないダム建設というものをとめるように努力をしている、一生懸命やっている最中なのですが、現在予定されているダムというのは、日本ダム協会のダム年鑑によりますと、計画調査中五百八十七あります。最新のものですけれども、これよりも減っているのかふえているのかちょっと把握し切れておりませんが、五百八十七。今二千五百五十六あるダムに、大体二割近くさらにふやしていこうという計画が今も行われております。

 この計画の大半が、昭和三十年代、四十年代、いわゆる高度経済成長の中で、利水的な面から始められた計画が大半であります。もちろん、ダムをつくるときには治水というものも言われるわけですけれども、治水、利水の率、費用率というものが当然計算されるのですが、ほとんどすべてと言ってもいいぐらい利水率の高いダム計画であると言うことができると思います。その中でも最も理論性の低いこのダムをとめなければ、残り五百八十六の計画中のダムすべてが稼働してしまうのではないかという恐怖に駆られるぐらい、全くと言っていい治水性も利水性もないダムが細川内ダムの計画であります。

 その水没予定地、この二十数年間水没予定地とされてきました一般国道百九十五号の徳島県木頭村のエリアにおきまして、その四キロ区間におきまして、大体幅が三メートルぐらい、一番狭いところ、これは雑誌の記事によりますし、私の体感、体で感じたところですけれども、三メートルもない、二・六メートルぐらいの道幅のところが出てきます。この四キロの事故というものが非常に多く起こっているわけです。

 木頭村内の自動車の物損事故の現状というのは、一九九五年、ことしの九月末現在までで、五年間で九十九件あります。そのうち、その四キロの間、二十八件あります。大体百件中の二十八件、三割近くが結局のところ水没予定地とされ、国道であるにもかかわらず、非常に道幅の狭い中で事故が多発しているわけであります。

 この徳島県木頭村の交通安全対策というものをどういうふうに考えているのか、建設省の方から御答弁ください。

○橋本政府委員

 一般国道百九十五号は、高知県と徳島県の阿南市を結ぶ国道でございます。実延長で百四十八キロございますが、阿南市の方から順次改良を進めまして、現在、改良率八五%、現在もって改良中の国道でございます。

 御指摘の木頭村における百九十五号の交通事故につきましては、今五年間のデータの御指摘がございましたが、そういうことでございます。しかし、平成六年を考えますと、確かにその区間におきまして、未改良区間におきまして、物損事故はございますが人身事故はないというふうに我々は聞いております。

 さらに、これらについての交通安全対策はどのように考えるかということでございますが、御承知のとおり、この未改良区間約四キロあるわけでありますけれども、今計画されております細川内ダム建設事業により水没いたします。そういうことで、きょうはそのダムの必要性の議論は別といたしまして、抜本的なこの国道の改良につきましては、やはりダム事業と調整して実施する方針である、我々もこのように考えておりますし、道路管理者である徳島県もそのように申しております。

 そこでこの道路でありますが、御指摘のように、道路幅員は三・一メーターから七メーターと狭小でございます。そういうことで当面、大型車がすれ違いができない交通の隘路となっている箇所、これらにつきまして、特殊改良二種事業等によりまして、突角の切り取り、待避所の設置、あるいは交通安全としての標識とかガードレールの整備を実施してきております。しかし、大変狭小なものでございますので、今後この現道についての必要な対策は可能な限り進めて安全の確保に努めてまいりたいと考えております。徳島県におきましてもそのような考えと聞いております。建設省としてもできる限りの御支援をしてまいりたいと考えております。

○宇佐美委員

 時間になりました。非常に心強い御発言だったと思います。

 きのうですか、辞令が出まして、これまで河川局の方が建設省から徳島県の土木部長になったわけですけれども、今回道路局から出向することになったと聞いております。河川行政ばかり優先される建設省の体制というものがいまだにやはり続いている中で、道路なり下水道なり、必要とされているものをぜひ率先してやっていただけるよう大きな期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

  ありがとうございます。