「長良川河口堰の現状をその目で見てこい」
○宇佐美委員
新党さきがけの宇佐美登でございます。
先ほど、岡崎先輩の方から長良川河口堰等の質問がございました。私、きょうは、温暖化対策の問題、長良川河口堰の問題、宍道湖の問題、さらには、先ほど情報公開の点について長官が触れられておりましたので、質問についてまだ御通告していなかったのですが、答えられる範囲で、環境庁の持っている審議会の、どこまで公開をしているのかということについて質問をさせていただきたいと思います。
まず第一に、温暖化対策、IPCCの評価ということについてお尋ねをさせていただきたいと思います。
既に、さきの委員の方から幾つか質問があったかと思いますけれども、地球環境問題を考える際に、昨年の十二月にまとめられたIPCCの第二次レポート、大変重要だと私個人としても認識しております。このレポートの内容について、環境庁として、どこを特に重要視しているのかという点、さらに、その中で、どうやってそれに具体的な方策、政策として対応していくつもりなのかという点について、まずお答えいただきたいと思います。
○浜中説明員
IPCCの第二次評価報告書に関しまして、注目される点についてのお尋ねをまずいただいたわけでございますけれども、私どもといたしましては、まず何よりも、過去百年間に実際に観測されました地球の表面の平均気温の上昇、〇・三度から〇・六度Cの上昇があったということでございますけれども、そうした気温の上昇というものに人間の活動の影響が認められるという点について明確な評価を下した、この点が最も重要な点ではないかというふうに考えておる次第でございます。
もちろん、このほかにも、この地球の温暖化の進行に伴いまして、地球の生態系あるいは気候の変動にどのような影響を生ずるか、植生、水資源、食糧の生産、洪水や高潮の関係、あるいはマラリアなどの健康への影響、こういったいろいろな面におきまして改めて科学的な知見を集約をして、非常に大きな影響が出るということを明らかにした、この点も第二次報告書の大きな一つの意義であろうかというふうに考えておる次第でございます。
また、このような気候変動の防止をするために、現在、既にある程度実用化が進んだ技術によりまして、それだけでも相当の、省エネルギーなどの改善を図ることができるということも明らかにされたわけでありますし、また、OECD諸国など先進国がこれから地球温暖化対策を進めていく、そして二〇%、三〇%といった形で排出量の削減を行っていく場合においても、数十年間におけるその対策の進展によって経済にそれほど悪影響はないということでございまして、そうした科学的知見を集約いたしますれば、従来言われておりました「後悔しない対策」という範囲を超えた対策を進めることを根拠づけるものだ、このようなことを明らかにしている。
こういった点に私どもとしては大変注目をしているわけでございまして、この明らかにされました知見を私どもとして真剣に受けとめまして、一層の地球温暖化防止対策の推進に取り組んでまいりたい、このように考えている次第でございます。〔委員長退席、大野(由)委員長代理着席〕
○宇佐美委員
政府として、また環境庁として、それらに対してのこれまでの対応というもの、考え方というものを御報告いだだいていたところでございますので、その筋を御説明いただいたのかなと思っておりますが、私は、環境問題についてこの環境委員会に属する皆様は同じ気持ちで、環境こそこれからの日本の政治、経済開発の中のキーターム、キーポイントになるんだというふうな理解があるかと思います。
そう考えたときに、今教えていただきましたIPCCのようないわゆる環境科学の分野におきまして日本の貢献が十分であるのかどうかというところ、まだまだ不十分ではないかというふうに私は理解をしているわけであります。私ももともと科学者として、専門というわけではないですけれども、研究をさせていただいた者として、日本の科学者の貢献や日本政府の貢献、どのように環境庁として評価をしているのかが一点。
第二点目に、その裏づけというのですか、近年の国連への出資額やODA援助額、いずれも世界でトップと言われているわけですけれども、このような、数値的に比較してどのように考えておられるのか。
総論部分は長官、各論の第二問については浜中部長にお答えいただければと思います。
○浜中説明員
それでは、各論の方から先にお答えを申し上げます。
このIPCC第二次報告書の取りまとめに当たりましては、全部で五十章ございますけれども、そのうちの十六章に日本人の科学者が、執筆者チームの幹事という形でありますとかあるいは執筆者チームの一員という形で参加をしております。また、約百名の日本の科学者が、作成された報告書の原稿に対しましてコメントを求められ、そのコメントを出すということで報告書の改良に貢献をしてまいりました。
私ども環境庁といたしましても、こうした我が国の科学者が会議に参加をし、執筆などの活動をされるのを積極的に支援をしてきておりますし、また、報告書の内容につきましても、私ども環境庁に計上されております地球環境研究総合推進費というものによる研究の成果も一部引用されているところでございまして、このように積極的な支援をしてきているところでございます。また、第二次報告書を完成するに至るまでの過程で、執筆者チームによる会議でございますとかあるいは国際ワークショップなどを五回にわたり日本で開催をしてまいったところでございます。
このようなことを全体の割合で申しますと、先生御指摘のように国連に対する拠出金の割合等に比較いたしますと、今回、第二次報告書では、日本人研究者によります引用された論文の数で申しますと、これは全体のまだ一・八%でございます。それでも、一九九〇年に取りまとめたIPCCの最初の報告書、第一次報告書では、引用された論文数でまいりますと、日本人の研究成果は全体の一%以下であったわけでございまして、それに比べまして増加はしているということは言えるかと思いますが、なお九〇%以上は欧米の科学者の研究成果によるものでございます。その意味で、まだまだ私どもの貢献は足りないと考えております。
二〇〇〇年までにIPCCは第三次の報告書の取りまとめをすることとしておりますけれども、私どもといたしましては、日本人科学者が一層貢献できるようにできるだけの支援を重ねてまいりたい、また研究の推進を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○岩垂国務大臣
日本の役割というのは決して十分だとは思っていません。
ただ、例えば平成八年度の政府予算案に盛り詠まれた地球温暖化対策に対する予算の総額といらのは四千六百五億円という金額であります。決してそれほど多くはなくても、それほど少なくはないだろうと私は思います。そして、それらを含めて、まだこれは来年度予算になりますけれども、第三回の締約国会議の誘致ということになればかなりな金額になると思いますが、これはお金の大きさ、小ささではかるものではないと思います。
技術的な貢献については、今浜中部長が指摘をされましたように、これは全国で千人を超える学者や専門家がこの作業にかかわっているわけですが、その中の百人という形で、決してこれも私はそれほど少なくはないというふうに思っています。
問題は、資金的にも技術的にもそういう協力をしながら、第三回の会議の議定書をどう取りまとめていくかということについて日本は積極的な役割を果たさなければならぬだろう。そういう意味からいうと、文字どおり足元から進めなければならない二酸化炭素の排出抑制に対する具体的な手だてをもう一歩進めなけりゃいけないな、あらゆる意味で知恵を絞らなきゃいけないなという感じがいたします。
それは単にリサイクルとか省エネとかそういう問題だけではなくて、教育の分野まで含めて、ある種の人間の心と言われる部分も含めて、二十一世紀の世代が、私たちが子供や孫に対して責任が持てる世代であり続けるためには、ここで生活スタイルを含めて方向を考えていかなければいけないな、そういう意味で思い切った政策的な改革が求められている、転換が求められている、こん々感じがいたします。
突然の質問ですので総論的なものにはなっていませんけれども、当面の最大の政治課題として取り組みたいものだと思っています。
○宇佐美委員
御存じのとおり、我々さきがけ結党当時、環境問題というものをその基本政策、基本理念の最重要課題として取り上げまして、積極的に取り組む日本の役割というものを重要視させていただいております。今教えていただきましたように、科学技術分野での人的貢献、ノウハウの提供、プラス、やはり何をするにもお金がかかります。資金的なものにとどまらないわけですけれども、ぜひそれらの点についてもこれからも御努力いただきたいと思いますし、我々も全力を挙げて応援をさせていただきたいと思っております。
さて、ODAの話が出たところでございますけれども、途上国経済を持続可能なものとして開発を転換していくためには、ODAにおける環境配慮の徹底、環境ODAの拡充、さらには、民間の海外直接投資における環境配慮の強化が必要だと考えております。これらの点について岩垂長官、前々から同様な御意見をお持ちですし、事あるごとにおっしゃっていただいていたわけです。
二年前、私はこの環境委員会で、当時広中長官の時代でございます。ODAにおける環境配慮についてどういう形で考えてやっているのかということを質問させていただいたわけでございます。
例えば、ODA四省庁と言われるものがあるわけですけれども、ODAが決定される際にそれが環境に対してどんな影響を与えるのかどうか。それは、ODA四省庁がそのプロジェクトを選択する際に、必要だと思った際に環境庁に聞くんだというようなお答えをいただいたわけであります。その際にも私は申し上げたのですけれども、環境庁の例えばアドバイスが必要かどうかを判断するその基準はどこなのかというところであります。それが、専門に環境をやっていらっしゃる方が考えるならばまだ理解できるわけですけれども、いわゆるODA四省庁、というよりも環境庁がその専門であるわけですから、その四省庁が専門的な知識を環境庁と同様に持っていたら環境庁の存在意義すら問われるわけでありますから、そのODAの決定される際に、幾つもある、山ほどあるプロジェクトの中からどれを選ぶのかといったと素にも環境庁の参加が必要になってくるのだということを再三申し上げているわけであります。
実際に、この二年間と言わず、これらの環境問題が注目視される中で、ODAにおける環境配慮というものの取り組みはどのようになっているのか。長官、お答えいただければと思います。
○岩垂国務大臣
先ほども申し上げましたけれども、ブラジルのサミットで、日本がODAなどについても環境問題を重視していくという政策転換が行われまして、金額にしても大変な金額を目標として位置づけました。そのとおりに進んでいるように思いますが、それにしても、これから私ども考えなきゃならぬ問題がたくさんあると思います。それは、途上国における環境保全と調和した開発を支援していく、そのためには、やはりODAの実施に際して現地の環境保全に配慮することが重要だということであります。
この点から考えますと、環境基本法に基づいて平成六年の十二月に作成された環境基本計画においても、国際協力を実施するに当たって「適切かつ効果的な環境配慮を実施する。」ということを基本計画の中に位置づけたことは先生御案内のとおりであります。
そのような中で、ODAの実施機関である例えばJICAあるいは海外経済協力基金、OECFなどが環境配慮のガイドラインを策定するとともに、その実施のための組織体制の強化を進めているところであります。これはもう先生の御案内のとおりですから、それ以上の説明はいたしません。特に、昨年の八月に環境配慮のためのOECFのガイドラインが改定されまして、環境への影響が大きい大規模プロジェクトについて環境アセスメント報告書の提出を借入国に義務づけるたど、環境配慮に関して一層の充実強化が図られたことは御案内のとおりであります。
これは、実はナルマダなんかの経験もあるのがろうと思うのですが、去年の八月のガイドラインの改正のポイントというのは、環境への影響が士きい大規模プロジェクトについて環境アセスメソト報告書の提出を借入国に義務づけることとしたこと、二つ目は、移転住民数が必要最小限となるような代替案の検討などを求めたこと、これは五ょっと大きなことだと思うのです。ナルマダの教訓だというふうに思います。それから三番目は、プロジェクトは借入国の指定した自然保護地区以外で実施されなければならないこととしたこと、これは今先生御指摘になりましたけれども、アセス以前なのですね。
つまり、このガイドラインをクリアしないと協力はありませんよということなのですから、四省庁以前の問題として一つのハードルを設けたものだというふうに御理解をいただきたいと思うのです。それも、先生があるいは先生方が御指摘をいただいて、特に諸外国の住民、開発をされて立ち去らなければいけない、農業を放棄しなければいけない、そういう人たちに対して、我々がODAと言いながらそういうことを手助けしてはいけない、その人たちの生活を守る立場に立たなければいけない、そういうことのガイドラインだというふうに御理解をいただいて、それなりに御指摘をいただいたことは一歩一歩前進していると自信を持っていただきたいと思います。
○宇佐美委員
力強いお言葉なのですけれども、実際の予算等を見て考えたときに、まだまだだなというのがこれまでずっと環境問題をやってきた者としての気持ちだということも御認識をいただきたいと思います。
もう一つ、具体的に言うと、環境税のことをお尋ねというかお願いをさせていただきたいと思っております。
地球環境問題の取り組みに当たって、やはり大事なのは現実性の議論であります。環境基本計画において、先ほど長官からお話もあったように、具体的な措置について研究を行っている環境税というものがございます。言い回しは非常にわかりにくいものと言ってもいいのだと思いますけれども、調査、進捗状況がどうなっているのかということが非常に気がかりでございます。技術的な研究は各国及び関係各業界の利害が複雑に絡み合いという感じで、堂々めぐりを繰り返しているように思えるわけでございます。実際に、具体的な環境税の仕組みやその使い方、あわせて行う減税措置などについて、案を一刻も早くつくっていただいて、国民の皆さんと議論をしていただきたい。議論をするような素案をつくっていただくよう要望をさせていただきたいと思います。
これまで消費税の問題が本会議でも議論をされております。介護保険というものも、消費税が上がらない分じゃないかというような意見まで出てくるわけでありますけれども、環境税というものは、もう長官はよく御認識いただいているように、経済開発の中で環境を壊されたときに、そのためにいわば目的税として取られるものであって、環境を壊さないといった面から考えれば、経済効率性、大きく見た、長い目で見たときの経済効率としては上がるものだというふうに認識をしておりますので、ぜひ具体的な議論を活発にやっていただくよう御要望を申し上げたいと思います。
さて、地球環境規模のお話をさせていただいてきましたけれども、国内に目を転じると、どうでしょうか。環境が十二分に考えられているのかというような疑問にぶち当たるわけでございます。
長良川河口堰をめぐる一連の動きは、国民の皆さんに新しい価値観の転回を感じていただく大きな出来事になるはずであったわけであります。残念ながら、運用の決定が昨年されたわけであります。その際には、当時の建設大臣、行政に過ちはないといったような、全く行革を考えられないような発言まで出てきて、私は不愉快というよりも怒りそのものを覚え、一刻も早くこの人は大臣をやめてほしい、この人は議員の価値もないというふうに思ったわけであります。と同時に、今岩垂長官が環境庁の長官に就任なさっているということは、HIVで菅直人議員が厚生大臣に就任したのと同じかそれ以上に大きな期待をさせていただいているわけであります。そういうような認識のもと、ぜひお答えいただきたいと思います。
先ほど岡崎議員の質問の中にもありました長良川、運用を始めたらアオコが発生したり魚たちがいなくなるというのですか、遡上できなくなったりしているわけであります。この認識いかんというものが、これからの環境行政、環境がやはり日本の政治の中で大事なんだということを国民にも、海外の皆さんからも御理解いただける大きなポイントになるかと思っております。
先ほど長官の視察の点について、気持ちはあるとおっしゃっているわけです。気持ちがあればあとは足があればすぐ行けますから、また、スケジュール的に難しいというならば、環境委員会の理事の皆さんにお願いして環境委員会の時間を減らしてでも、ぜひ視察に行っていただきたいと思います。また、長官が行けないとおっしゃるならば、長官以外の方、政務次官でも結構でございます、ぜひ視察に行っていただきたいと思っております。この辺についてのお答えをお願いします。〔大野(由)委員長代理退席、委員長着席〕
○岩垂国務大臣
先ほどから、いや、正確に言えば昨日からいろいろな意味で御答弁を申し上げてまいりました。その立場を私は今変えておりません。ただ、皆さんの気持ちは私なりにしっかりと受けとめています。
そして、堰が運用になりまして、環境への影響を把握するために、それこそいろいろな方を交えた専門家から成るモニタリング委員会が設けられたわけです。建設省及び水資源開発公団が行う調査が科学的で客観的に行われるよう、私どもとしては指導助言をしていく立場だろう、こういうふうに思っております。
そして、環境庁としては、このモニタリング委員会の結果を注目しつつ、環境保全上の支障が生じていると認められる場合は、やはり建設省に対して改善を求めていくという立場は変わりありません。その立場は私どものいわば職掌である、仕事であるというふうに思っていますので、そういう点で御理解をいただきたいし、ずっと関心を持ち続けたい、こんなふうに思います。
○宇佐美委員
質問に全部お答えいただけていないかと思います。行くのか、行かないのか、はっきり言うのも政治の決断でありますので、ぜひ行くというお答えをいただければと思っております。
建設省の方にもお越しいただいているので少し端的にお答えいただきたいのですけれども、昨年の、先ほど申し上げたような被害が出ていること、当時の野坂建設大臣が、何かあった場合には運用の是非も考えるといったような趣旨のお言葉があったかと思います。建設省として、モニタリング委員会にかかっているわけでございますけれども、何かあったというような認識をしているのか、していないのか。また、その被害の原因を端的に教えていただきたいと思います。
○竹村説明員
御説明させていただきます。 昨年の五月から私ども本格操作をいたしております。そのために、塩水が河口堰からとまったために安心して現在しゅんせつをし、なおかつその上流の真水を地域の方が飲んでいる、地域の方々は大変喜んでいるという状況をまず御報告させていただきます。
さて、御質問の環境の生態系の変化についてでございますが、もう何度もお話出ましたように、学者、専門家のモニタリング委員会の指導によって私ども調査をやっております。その調査のやり方をすべて公表しております。データもすべて公開しております。私どもは、このような形ですべての国民の方にこの私どもの調査の結果を共有していただき、この私どものやっている調査を見ていただく、そして評価していただくという体制になっております。
建設省のこのモニタリングの調査の評価いかんということでございますが、私どもはさまざまなデータが入手できております。魚道の機能、水質、アユ、サツキマス、底質、シジミ等のさまざまな、膨大な、私個人としては前例を知らないほど大規模な、万全な体制のフォローアップの調査が、現在どんどんデータが蓄積されております。その評価は、あくまでも私どもではなくて専門家の、学識経験者のモニタリング委員会の先生方にお任せしてございます。
そのモニタリング委員会の先生方の評価を、時間の関係で、ここで一々全部御紹介するわけにいきませんが、今までやった三回の委員会の後ですべて、先生方は記者会見をし、内容の評価についてはブリーフィングという形で、メモで提出されております。その結果によりますと、簡単に言わせていただくと、魚道機能は順調に発揮されている、記録的な猛暑の中で、平成七年に一時的にアオコは一部に出たけれども水質は良好に推移している等々のさまざまな評価がされてございます。
私どもは、これらのようにさまざまなデータ、知見が得られている中で、生態系というのはさまざまな項目が複雑に絡み合っている総合的な、ましてや長期的なテーマであるということを強く認識しておりまして、今後とも長良川の生態系のモニタリングを万全の体制で実施し、その成果を国民の皆様方と共有していきたいと考えております。
○宇佐美委員
竹村さんには、現地にいらっしゃるときから議論をさせていただいております。二年前にも私、二回現地に赴きまして、竹村課長ともお話をさせていただいておりますので、大枠のところ、下地のところの竹村課長が言いたいことはよく理解をしております。理解しているからといって、それが正しいと思っているわけではありません。
猛暑、渇水といった事情があると言っておりますけれども、それでは、どれぐらいに一度の割合で前回の猛暑、渇水というのはあるというふうに考えていらっしゃいますか。
○竹村説明員
数字のことでございますので、間違ってはいけませんので、資料を出させていただきます。
平成六年の猛暑と申しますのは記録的な猛暑でございまして、三十五度以上の日が続いた、名古屋気象台の観測史上百一年の中でナンバーワンでございます。
それと八月の雨、これは月間七十ミリしか降らなかったわけですけれども、やはり名古屋気象台では百一年間のデータの中でナンバースリーでございます。
今度は八月の川の流量、これは私ども建設省の内務省以来のデータでございますが、八月の平均流量は二十九トンと、大河川においては極めて少ない流量でございまして、五十三年間のデータがございます、そのうちのナンバースリーでございます。
そういう意味で、私ども、記録的な厳しい条件だったということは、このようなところから表明させていただいております。
○宇佐美委員
例えば、今最後のところの流量、五十三年でナンバースリーということで、それを一概に全部の数字だというふうには認識しませんけれども、例えば二十年に一度くらいの可能性、もしくは三十年なのか。水がきれいかどうかということでいえば、やはり流量が大事になってきます。
全部の原因にはなりませんけれども、やはり流量が大事だといったときに、もともと長良川河口堰をつくるときにおっしゃっていたのは、百年に一度の大水に耐えられるようにつくっていこうと言っていたわけですけれども、二十年から三十年――先ほど確かに高温については百一年で初めてだと言いますから、千年に一度かもしれないという予測はできるかもしれません。それでも流量についていえば、この五十三年間の中でワーストスリーだというようなお答えのわけであります。百年の大水、本当に百年に一度起こるかどうかもわからない現在の気象状況の中、この百年間で大幅に世界の気候というもの、気象というものは変わっている。日本もこの数十年間の開発の中で、雨の量がふえたり減ったり、局所的なものとかいう形で気候が変動しているわけであります。そのために今環境庁さんが、気候変動枠組み条約の中でも議論をしているわけであります。それでは、これから数十年間に一回起こる渇水というもの、そのたびに汚い水ができてくるのかというところであります。
喜んで地域の方々が真水を飲んでいると言われるわけですけれども、本当に喜んでいるのかどうかというところは定かではないと言っていいと思います。水が少しぐらい臭くても、ないよりはあつた方がいい、それをもって喜んでいると評するのかどうか。一つのデータによりますと、その地域では水が大きく売れたと言われております。リッター二百円とか三百円の水が大きく売れたというのも、本当に長良川の水を飲んで幸せだと感じている人が多いのかどうかというところ、疑問点がまだまだ残るわけであります。
これからもやはり長良川河口堰の問題、環境庁長官にお尋ねしたいのですけれども、先ほどの見解、示していただいたわけですけれども、厚生省、今回HIVのものも、これまで訴訟が起こって以来七年間ないと言っていた資料、八三年からの十三年間なかったと言われている資料が見つかったわけであります。ないと言っていた資料が見つかるような状況の中で、今回も、調査班を設置して三日で出てきました。
今回の資料等、モニタリング委員会、先ほど竹村課長言われたように、以前に比べて本当に大きな資料、情報を出していただいている、これは事実であります。それは建設省の努力として非常に認めるべきところだと思いますが、環境庁としても独自に調査をする、それでなければ、その存在意義まで、時に問われても仕方がないと私は思っております。
環境庁長官として、例えば先ほど言っておりましたように、調査班の設置等、資料のさらなる調査、もしくは現地に行って調査をするということを考えていただきたいと思います。御意見をお願いします。
○岩垂国務大臣
午前中の議論にございましたように、環境庁は調整機能を持っておりまして、各省庁のいろいろな仕事について調整の役割を担わなければなりません。
私は、そのこととは別に、今度の問題、つまり長良川の問題について、本格運用あるいはそれ以前もそうだったのですが、建設省に対してきちんと、それこそ使用前、使用後ということを含めたモニタリングをやるべきだ、そのことは国民の前に公表すべきだと。それは要するに、自分の好きな人たちだけを集めて委員会を開くというのではなくて、批判的な人も含めて、言ってしまえば世論を代表することができるような委員会構成でやってほしいということを求めてきました。それで、求めてきた延長線上にモニタリング委員会が設置されたわけであります。そして、それが一宇の調査をしてきているわけであります。
それはもちろんいろいろな方々がいらっしゃいますから、見解がおのずから異なる場合もあります。おれは安全だと言う人と、いやおれはやばいぞと、いろいろな意見があると思うのです。しかし、そのモニタリング委員会で一つの結論が得られたとすれば、それについて一定の信用、信頼というものを持たざるを得ないだろう。それに環境庁が、おいちょっと待て、おまえさんたちゃっているのはちょっとおかしいんじゃないかと言うのは、ちょっとやはり、今の私どものスタンスから見て問題があるなと。
しかし、率直に言って、じゃ全部任せてしまつていいのかと言えば、そうはいかぬと思いますから、その辺はいろいろな工夫をしながら、私どもとして、一体実態はどうなのか、真実は一つですから、一体どうなのかということについての努力は今後とも見詰めていきたいというふうに御理解をいただきたい。
○宇佐美委員
もっと前向きな言葉を期待したわけですけれども、昨日も申し上げましたが、私の専門の自動制御の中で考えれば、フイードフォワードコントロール、フィードバックコントロール。フィードフォワードというのは、こうなるんじゃないかという予想のもとでセンサー等を使って実際のデータを入れて研究する、シミュレーションをする。フィードバックコントロールといろのは、実際に起こったものから予想と違う結果が出てくる、その差分をまたコントロールのもとに戻してやるという、フィードバックの基本であります。
今回の話で言えば、そのフィードバックの出てきたデータ、できる限り多い、そしてさまざまな種類の情報があることによって、オートマチックコントロールというのが働いてくるわけであります。これはいわゆる政策決定の中でも、そういうようなオートマチックコントロール、フィードバックコントロールというものが議論をされている、科学的な議論がされている中で、ぜひとも、建設省さん一生懸命やっていらっしゃいます、モニタリング委員会もやっている、それプラス、みずからも足を運んでやっていくというわけであります。
別に横から口を挟めと言っているのではなくて、見に行ってください、見て、どうなのかと。百聞は一見にしかずと言われる言葉、もう昔々から皆さんが言われている、人々のこれまでの知恵なのであります。ぜひその知恵に耳を傾けていただいて、現地に行って、見る、ここから始めていただきたい。その際には、建設省の方と一緒に行っていいですよ、別に。事実は何なのか、自分の目で、体で、皮膚で感じていただきたいと思っております。ぜひとも御期待申し上げております。
最後に、宍道湖の、中海の問題について御質問をさせていただきたいと思います。
これは、昭和二十九年六月「島根県が中海・宍道湖の淡水化計画を発表」でございます。昭和二十九年というわけですから、今からもう四十二年前のことであります。昭和三十八年「国営中海干拓事業スタート」という中で、昭和五十年代、地元の反対運動等が高まる中、昭和六十三年二月「竹下首相が」、まさに地元の島根県なのでありますけれども、「「干拓事業は着工当時と状況が変わった」と国会答弁」、それを受けて五月に「島根、鳥取の両県知事が淡水化試行を当分の間、延期すると決め、農水省に回答」をしていただいているわけであります。その後、本庄工区の土地利用検討委員会が議論をしておりました。それが、昨年の十一月の二十四日ですか、「工事が中断されている中海干拓・本庄工区の取り扱いについて島根県の澄田知事は「全面干陸の方向で詰めを急いでいる」」と発表なさったわけであります。それを受けて、十二月四日の県議会定例の施政方針演説で、中海干拓はまたやりますよと言い出したわけであります。
その中で、どうしても疑問というか、いろいろと勉強している中で私が不思議だなと思っていることは、今中海の本庄工区千四百ヘクタールの干拓をしようとしているわけでありますけれども、この干拓、農地として全面的に使おうと言っているわけであります。県の資料によりますと、一九八四年から九四年の十年間で、農地として五万一千六百ヘクタールあったものが四万五千八百ヘクタールになっている。つまり、十年間のうちに五千八百ヘクタールが農地ではないほかの利用になっているわけであります。島根県の別の資料によれば、その一つ前の十年間で六千百ヘクタール失われたというようなものが島根県から発表されているわけであります。この五年間をとると、農地が三千百ヘクタール減っている。農家数でいいますと、平成七年二月一日現在、五年前と比較しまして五千二十三人の方が農家から離れざるを得ないと言ってもいいのでしょう、離れているわけであります。その中でもさらに農地をつくっていこうと言っている島根県の論理的根拠というのが、私からは全く見えないわけであります。
この点について、農水省、今県が話しているので答えられる限界もあるかと思いますけれども、農水省としてどういう理解をしているのか、お答えいただきたいと思います。
○山村説明員
御説明いたします。
中海干拓の本庄工区の取り扱いでございますが、今先生御指摘のとおり、干陸工事を延期するということで協議をいたしまして、現在島根県で検討しているところでございます。
これによりますと、中四国農政局長は、島根県地議の検討結果を踏まえて今後の事業の進め方について協議するというふうになっておりまして、農水省といたしましては、この趣旨を尊重しまして、島根県の結論が正式に出された段階で、その内容を十分検討した上で判断するというふうにいたしております。
○宇佐美委員
その県議会、二月でもう始まっております。三月十五日が県議会の最終日と聞いております。県としては、その日をめどにこの中海干拓事業そのものを再開するのかどうかという結論を外に発表するというように言われているわけであります。それまでに、やはりこの環境委員会の委員として、この点が環境から見てどう考えてもおかしいというのと同時に、先ほど申し上げましたように、使われない可能性の高い農地をこれからもつくっていこうという県の方針、それが全く理解できないわけであります。
それ以前に四つの干拓地があります。その干拓地の農地としての利用状況はどうなっているのか、農水省からお答えいただきたいと思います。
○山村説明員
御説明いたします。
中海干拓の五工区のうち、本庄工区を除きまして、島根県の揖屋、安来工区、それから鳥取県の弓浜工区につきましては昭和六十三年度に、また、鳥取県の彦名工区につきましては平成三年度に、それぞれ農地整備を行いまして工事を完了し、両県農業公社を通じまして、周辺農家の規模拡大に資するということで売り渡しがなされております。
売り渡された干拓地につきましては、弓浜工区では地域の特産物であります白ネギを中心に、大根、里芋、彦名工区ではたばこ、白ネギ、ニンジンなど、また揖屋、安来ではキャベツ、タマネギなどが作付されているということで県から聞き取っております。
○宇佐美委員
もう一つ、その干拓された地域は一〇〇%農地として使われておりますか。一〇〇%でない場合は、その割合を教えてください。
○山村説明員
御説明をいたします。
国の方から県の農業公社に対しての売り渡しはすべてもう済んでおります。県の農業公社が周辺の農家にいわゆる売り渡しをやっているわけでございますが、揖屋工区につきましては、二百二ヘクタールのうち三十二ヘクタールがまだ売り渡されていないという状況、安来、弓浜、彦名等々にも若干ございます。
ただし、売り渡していない農地につきましても、農業公社の方から周辺の農家に貸し付けておりまして、一反当たり、十アール当たり年八千円から一万円の利用料でございますけれども、そこで営農がなされております。
○宇佐美委員
ほぼ時間が終了しております。
この事業費、六十三年度までで三百六十八億円使われております。国費として二百六十八億円、地方負担金百億円。この際、建設利息が百四十億円地方の方についておりますので、県として合わせて二百四十億円を返さなければならない状況が続いているわけであります。それに対して県の今の財政状況、非常に厳しいわけでありますけれども、二百四十億円のうちの百二十億円強に関しまして、今毎年十億ですか、年利六・五%のものを償還期間二十二年間で国に対して返済をしているわけであります。
今回この開発が再開されることによってさらに県民の負担というものは大きくなるでしょうし、また、その土地が本当に利用されるかどうかというものが何よりも重要であります。農地として今全面干拓をしようとしていることが本当に正しいのかどうか。きょう私の質問をお聞きいただいた方、全くこれは正しい方向に進んでいないのだということを御理解いただけたかと思っております。
最後に、環境庁長官、今の話を聞いた上で、この中海干拓、どういうふうに考えているのかということを一つ。
また、本当にきゅうきゅうの時間で恐縮なんですけれども、五つある審議会の公開がどのような形で進んでいるのか。それらについて議事録の公開、発言者は無記名で結構であります、議事録の公開がされているのかどうかということを、長官もしくは政府委員の方からお答えいただければと思います。
○岩垂国務大臣
今宇佐美委員が御指摘をされましたように、竹下さんがおやめになった仕事であります。それをまたひっくり返すというのですから、これは竹下さんにも申しわけないのじゃないかというふうにさえ思います。それはそれとして、朝令暮改という言葉がありますけれども、一遍やめておいて、何かの理由でまたひっくり返すというのは余りよくないという感じがいたします。
ただ、実はここは公有水面埋立法による所要の手続が終わっていまして、環境庁がそれについてどうのこうのという立場ではございませんが、しかし、環境庁としてもこの件については十分に関心を持っていかなければいかぬというふうに思っているところです。
だから、今事務当局に対して、島根県から、この事業によるところの水質の影響調査結果を聴取するように指示をいたしております。環境庁としても事実関係の把握に努めてまいりたい、このことを申し上げておきたいというふうに思います。既にそのことについて着手をしつつあるというふうに申し上げたいと思います。
○田中(健)政府委員
環境庁所管の審議会等の公開の問題でございますが、五つ審議会がございますが、公開の対象になるのは三つでございます。そのうちの中央環境審議会と自然環境保全審議会、これにつきましては、昨年十二月に審議会が開かれましたので、そこで公開のための審議会の規定の整備を行ったところでございます。それから、残る瀬戸内海環境保全審議会につきましても、これは審議会の開催スケジュールに合わせて対応する予定でございます。
中身でございますけれども、原則、議事要旨を作成してこれを公開する、こういうことにしておりますし、あと、公正中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがない場合等には会議の公開等についても対応するという方向で動いております。
○宇佐美委員
時間が終了しました。
先ほどの中海の調査に関しましては、今、調査を県でされておりますのが、飲料利用のための調査項目が中心であります。影響を受けることが予想される周辺漁業のための、漁業目的の生態系調査もぜひ環境庁として指示を出していただきたいと思います。
審議会の公開に関しましては、昨年の九月末の閣議決定で原則公開というものが念押しをされている状態であります。審議会が、会議そのものが一般の方々が参加できる。なぜなら、国民の税金を使って政府の政策は行われるわけでありますから、国民の納税者の権利として、審議会がどういうように行われているのか、覆面審査でも結構でございます。だれが発言しているのかというのが非常に危険だとおっしゃるならば、それがわからないような形でも公開をされること、議事録の要旨ではなくて、できれば第三者によるテープ起こしというものが行われた中で、第三者が議事録というものを作成する、そのようなものが望まれる公開、公平公正から見た公開性というものだと思っております。
長良川について、また宍道湖・中海について等質問させていただきましたけれども、再三申し上げます。環境庁長官に大きな期待をさせていただいておりますので、ぜひとも頑張っていただくようお願いを申し上げます。
どうもありがとうございました。