「住専救済には最低でも情報公開が必要でしょ」

○宇佐美委員

 新党さきがけの宇佐美登でございます。

 本日は、住専等ということで、住専問題を中心に情報公開等について質問をさせていただきたいと思います。

 まず住専処理問題についてであります。

 今回の住専処理に関しましては、民間金融機関の負担、この協議が非常に困難であるということ、そして法的整理もさらなる金融システムの不安というもの、混乱を招くおそれがあるということ、第二次再建計画策定に深く関与し今日の負担論争の原因ともなっている大蔵、農水等の覚書、密室行政のもとでの政府・与党一体になりました責任というものを検討しなければならないと考えております。

 その上で、今回住専処理案がまだまだ国民の理解を十分に得られていない幾つかの理由を挙げることができると思います。

 第一に、税金を使われることそのものに皮膚感覚で拒否している。非常に困惑している。新たに税金が取られるという誤解まで招いているわけであります。

 二番目に、例えば自分たちの生活や会社が、私の地元では町工場、日本で一番多くあるところであります。この数年の間に二千社近い町工場が倒産をしたり、ある意味でアジアに進出をしなければならない、そんな状態もある中で、そんな際に税金で助けてくれるのかという怒りがやはりあります。

 そして第三番目に、なぜこのような状態になっているのか、何でこのような状況になったんだということを率直に、素直に感じる思い。

 四番目に、関係者の刑事責任を含めて責任追及というのがいまだになされていない、さらには議論そのものが足りていないのじゃないかという思い。

 五番目に、金融恐慌そのものに対して、私はまだ二十代の者ですけれども、私の周りの主婦の感覚、三十代、四十代の主婦の方々と話してみても、一度働いたことがある方は特に、金融システムというものは安定が必要だよと言われます。しかしながら、実際に金融恐慌がどのように起きるのか、どんなシミュレーションがあるのか、やはり理解できない。さらには、どういうふうになっていくのか、これからの住専処理問題、まだまだ理解できないということ。

 最後に六番目として、これが前例となりまして、また何らかの形で、どこかでどれだけの量かわからないけれども税金を使うのではないか、今回の住専処理が前例となって、次から次へと税金が使われていくのではないかという不安と怒りがあるわけであります。

 そんな中で、何よりもやはり情報というものをできる限り広く国民の皆さん、市民の皆さんに知っていただくことが大事かと思います。

 そこで、第一番目に、未開示の情報についてお伺いしたいと思います。

 住専処理機構への資産譲渡時に処理される千四百億円の資本勘定のロスについて、これは当然積算されていっているわけですから、住専七社別の内訳の数字というものがあるはずであります。具体的にその数字について大蔵大臣から示していただきたいと思います。

○西村政府委員

 御指摘の千四百億円は、住専処理機構への資産譲渡時に処理が必要な欠損見込み額でございますが、各社別に申し上げますと、日本住宅金融、住宅ローンサービス、住総、総合住金、日本ハウジングローン、以上がそれぞれ二百億円でございます。第一住宅金融が百億円、地銀生保住宅ローンが三百億円、合計いたしまして千四百億円、こういうことになっております。

○宇佐美委員

 今やっと一つ一つの数字が出てきたわけであります。質問されて出てくるようなものではなくて、一つ一つをできる限りどんどんどんどんみずから出していく姿勢というものを示していただきたいと思うわけであります。

 そんな中で、今回の住専問題について、住専の経営責任、負うべき母体の負担というもの、それは、それぞれの経営責任の重さと負担能力に照らして少な過ぎはしないか、また十分なのかどうかという検討がされてきたんだと考えております。

 ただ、この場合において、特に一例を申し上げますと、第一住宅金融、この場合、社長を長銀、日本長期信用銀行と交代で野村証券が出してきたわけであります。このような場合、経営責任というものは当たり前のように存在しているわけで、今回の場合、証券会社は住専に融資をしていないという理由で一次ロスの負担をしていないわけでありますけれども、過去のこの第一住宅金融の再建計画では、野村も長銀並みの支援損というものを計上してきたわけであります。

 これらの経緯を考えたときに、野村証券の責任というものは十分かどうか、今回の場合の負担というものが必要なのではないかというふうに考えますが、いかがですか。

○長野政府委員

 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、証券会社は貸し付け関係がございませんので、住専において発生したロスを債権者間でどのように分担するかという意味では、その負担の問題が起きていないわけでございますけれども、実は、御指摘のとおり、従来の再建計画におきましても、融資のできない母体としての証券会社は第三者割り当て増資の引き受けといった形で協力を行ってきておりますが、今回の一次ロス負担の前提として、出資者はまず全額を負担してしまうという枠内におきまして、第一次ロスの第一次の負担者となっておるところでございます。

○宇佐美委員

 社長を交代で出してきたということは、今証券局長の言われたところで、国民が納得、理解できるものではないと考えます。

 続いて、それでは現在の、じゃ、住専処理のスキームそのものを堅持しつつ、二次損失の負担の原資となる金融安定化拠出基金について、資金量に応じた拠出金に加えて、実際に財政資金を投入する住専の母体に対してさらなる負担を求めていくことを政府として検討すべきだと私は考えております。総理、いかがでしょうか。

○西村政府委員

 いわゆる一次ロスの処理につきましてそれぞれの立場から最大限の拠出を行っていただくほか、今御指摘のいわゆる二次ロスにつきまして、基金を設けまして、そこに金融システム安定という全体の見地から御協力をいただくということにしておる次第でございます。

○宇佐美委員

 役所の言葉というのは、検討するという言葉が、時に、今やらないというような言葉だと解されるときもあります。ぜひ、検討と言うならば、しっかりとした結果を出していただきたいと思います。

 いわゆるニューマネー問題について、引き続きお伺いします。

 第二次再建計画の中で、日本ハウジングローン、第一住宅金融、住宅ローンサービス、地銀生保住宅ローンの四社は、資金繰りを支援するため、母体行が回収を前提に追加融資をしてきました。昨年九月にこの住専整理の方針を母体行が表明して後、この資金を一部の母体行が回収してきたことが明らかになっております。いわゆるニューマネーであります。さきがけで計算させていただいたところ、千七百四十二億円、これが今回のスキームでは含まれない、母体行の債権放棄の対象に含まれていないわけであります。

 この問題について、総理もこの委員会で、苦々しく思っていると御答弁をされておりますけれども、そこで、このニューマネー分について、金融安定化基金への拠出金に上乗せする形で母体行にさらなる負担を求めるべきだと考えます。いかがでしょうか。

○西村政府委員

 御指摘のニューマネーと言われておりますものは、第二次再建計画策定の際に、関係者の合意に基づきまして、一定の条件のもとに関係者が拠出したものでございます。

 法律的な要件を検討いたしますとこれについては別途の処理をせざるを得ないということで、今回のスキーム上も、関係者の間で、ニューマネーにつきましては別の扱いにせざるを得ない、法律上も優先的に弁済を受ける権利がある、これは破産の場合においてもそのような取り扱いになるということで、そのような考えに立って処理をすることにいたしております。

○宇佐美委員

 銀行局長のお答えは、法律的にというお答えであります。

 しかしながら、ここは立法府での今の議論をさせていただいているわけであります。法律が必要になればそれをつくっていくのが、我々立法府たる国会議員の仕事であります。お役所の言葉でありますから、当時ある法律の中で考えざるを得ない、それはもちろん理解できますけれども、立法府においてこの予算委員会で議論されている中、ニューマネー分についても金融安定化基金への拠出というものを検討すべきだと私は加えて思いますけれども、総理の考えはいかがでしょうか。大蔵大臣でも結構です。

○久保国務大臣

 今銀行局長がお答え申し上げましたように、再建計画をつくりました際に、ニューマネーを提供する、融資することに関しては、優先返済の条件を相互に了承して、それを条件としてニューマネーが融資されているわけでございます。

 これは、首相がお答えになりましたことを引用されましたけれども、全体から今度のこの住専問題を考えてまいりますと、母体行はこの際その債権も放棄したらどうだということをおっしゃりたい気持ちは私どもも同じように思うのでありますけれども、これは、そういう融資に当たっての優先返済の条件が結ばれているという関係から、合意を得なければこれを抑えることは非常に困難な状況にあって返済が行われたものと考えております。

○宇佐美委員

 合意を得られるかどうか、合意をしていただかなければ国民は税金を出すことについて納得ができないんだというのが、通常の感覚、普通の感覚だと私は思います。ぜひとも、さらに強い姿勢を示して、大蔵大臣、指導をしていただきたいと思います。

 今回の問題で少しずつ情報が出された部分があります。農林系のノンバンク向け不良債権額が公表されたことはその一つの成果だと思っております。情報開示で農林系におくれる格好になった銀行についても、ノンバンク向け債権額と金利減免を含む不良債権総額、これを九六年三月から、少なくともこの三月期から一般の預金者、普通の国民、市民が入手できるような形でのディスクロージャーというものをすべきだと思っております。前回口頭でこのことについて報告されたわけでありますけれども、ぺーパーでしっかりとした形でディスクロージャーすべきだと考えております。いかがでしょうか。

○西村政府委員

 ディスクロージャーについてのお尋ねでございますが、私ども最近、金融機関のディスクロージャーは大変に重要な課題であるということで鋭意取り組んでおるところでございます。

 金融機関の不良債権のディスクロージャーにつきましては、本来、主要二十一行についてはこの三月期から各行が開示をするという予定でおりましたのですが、この前の九月中間決算におきまして、二十一行につきましては自主的に前倒しで開示をしているところでございます。

 その中でのノンバンク向けという問題でございますけれども、ノンバンク向けの債権も、この中には金利減免債権というような形で多くのものが含まれているところでございます。全体といたしまして二十一行のノンバンク向け債権額は約七兆円というふうに私ども考えておりますが、これは住専を除いたその他のノンバンクということでございます。

○宇佐美委員

 時間が限られておりますので、端的にお答えいただきたいのですけれども、今のディスクロージャーの問題、情報を開示しました、出しております、勝手に見てくださいというような形が、往々にして世の中のディスクロージャーと言われたときにあるわけであります。官報で出してありますとか、政府の場合にお答えされる場合もあるわけですけれども、情報というのは、いかに簡単にアクセスできるか、入手しやすいかということが非常に重要なわけであります。

 関連ということで、情報公開について、残り十分で質問させていただきたいと思います。

 現在、情報公開に関しましては、一年半前につくられました行政改革委員会の中で、ことしの十二月を期限としまして情報公開法、行政の情報公開に関する法律の大綱その他制度の整備というものを進めているわけであります。

 この情報公開というもの、何よりも先ほどから申し上げているように、何か物事を判断するときに、市民、国民の方々、人々が、これがどうなっているのか知りたいときに入手できる、そしてできる限り政府は今ある情報というものを提示する。これはなぜかといえば、元来国民の税金によってつくられている政府の運営、そして得られる情報、蓄積されたものでありますから、お金を出した人に当然見せて、使うことができる、当たり前のことであります。

 現在の状況は、冷蔵庫の中に情報がしまわれていて、その冷蔵庫のかぎが閉まっている、そんな状態で、そのかぎはだれが持っているかといえば一部の政府の関係者の方々だけになっているのではないか、そんなふうに思うわけであります。

 先ほど申し上げた行革委の情報公開法の議論を見る中で、総理としてこの情報公開法、どのような形で取り組んでいきたいのか、その決意を教えていただきたいと思います。

○中西国務大臣

 行政情報の公開につきましては、公正で民主的な行政運営を実現して、国民に対する行政の信頼を確保するということが最も重要でありますので、積極的に取り組んでいく重要な課題であるということを確認をいたしています。

 したがって、現在、行政機構、行政情報を公開するための法律の他の制度の整備につきまして、行政改革委員会並びに行政情報公開部会に調査審議をお願いをいたしておるところであります。今、同委員会から本年十二月までに意見具申していただくことになっておりますので、その意見を尊重して、積極的に対応してまいりたいと思っております。

○宇佐美委員

 三党合意の際に与党の中で議論があった点は、十二月まで、平成八年中をめどにといっていたものをできる限り早い平成八年にといった議論があったと聞き及んでおります。できる限り早く政府としてもぜひ臨んでいただきたいと思っているわけであります。この点について、総理としての御見解をいただければと思います。

○橋本内閣総理大臣

 今総務庁長官からお答えを申し上げましたように、委員会として十二月までにということで御努力をいただいております。私もこの問題は大事な問題だと思いますけれども、同時に、個人のプライバシーに係る部分等考えなければならない問題点もあるわけでありまして、できるだけ早くという努力はお願いを申し上げたいと存じます。

○宇佐美委員

 今お話しいただいたように一できる限り早くと言っていただくようお願いを申し上げると同時に、今回の問題は国民の知る権利というものが保障されるかどうか、これを考え及ぶかどうかという点なのでございます。国民の知る権利ということについて、総務庁長官もしくは総理の方から御見解を示していただきたいと思います。簡潔にお願いします。

○中西国務大臣

 今、戦後五十年経過をいたしましたけれども、依然として行政のこうした諸問題についての公開については大変おくれておるということでございますから、あくまでも私たちは戦後民主主義を確立するという視点からも、何としても、目線を国民の側あるいは軸足をそこに置いて、公開に向けて努力をしていきたいと思っております。

○宇佐美委員

 質問にお答えいただいているとは、十分だとは思えませんけれども、この知る権利が保障され、国民に情報が公開されますと、それを受けて国民が、まあ例えばNPOやNGO、非営利組織、非政府機関といったような、まあ集合体というんですか、グループをつくりっっ、それらの情報が正しいかどうか実際に行われている内容についてチェックをしていくわけであります。

 現在、市民セクターの強化というものを、NPO法というのが前国会では新進党の方から提出をいただいておりますし、与党の中でも三党合意の中で今通常国会での成立を目指すということになっておるわけであります。

 その中で、市民活動団体というものの中には、政策を提言したり研究を行ったりする団体が数多く現在も存在しております。時にはこれらの団体が、時の政府、時の地方公共団体の方向、政策と微妙にずれたり、逆に、反対に意見を持つときもございます。それらの、私は、市民の多様な価値観、意見というものを大事にする、これが我々さきがけの言っているところの民権政治、市民の声を受けた当たり前の政治の状況をつくっていく場面だと思っております。

 先ほど申し上げた、時に政府との意見がずれてしまう、このような団体にも、私は、法人格、必要に応じて税制措置というものを付与すべき、積極的に支援すべきだと考えているわけですけれども、この政府側の取りまとめ、窓口になっております経済企画庁長官の方からお答えいただきたいと思います。

○田中国務大臣

 その法案は、今三党合意に基づいて与党の方で検討されているということで、その過程を見守っているということでございます。

 まず、政策提言をする団体云々ということについても、ほかの法律との関係、あるいは悪用されるかどうか、そういうさまざまな議論がありますけれども、そういうものも含めて立派な成案が得られるように期待して見守っております。

○宇佐美委員

 今申し上げたように、NGOやNPOという団体の方々、時に我々に意見を寄せてくれるわけであります。

 今、二百十九ある政府の審議会というもの、昨年九月二十九日、当時村山総理の時代に、審議会原則公開というものを閣議で決定をいただいているわけであります。この中には対象外になる審議会等もあるわけでありますけれども、今まで調べさせていただいたところ、二百十九の審議会のうち、対象外二十五を外しますと百九十四ですか、ございます。百九十四の中で七十九がこの半年間まだ開催をされておりませんが、実際に傍聴等ができる、議事録が公開されているものは、重複も含めて二十六しかございません。

 ぜひとも、審議会というもの、政府の政策というものを決定する大事な場面でもございます。審議会の公開というもの、橋本政権のもと徹底的に進めていただきたいと思います。この点について、総理の御決意をいただきたいと思います。

○橋本内閣総理大臣

 先般まで通産大臣をいたしておりました関係から、ちょっと通産省で例をとってみたいと思います。例えば産構審の経済協力部会は公開で開催をいたしてきておりますし、また高圧ガス、LPガスの規制の合理化を検討いただきました高圧ガス及び火薬類保安審議会は、発言者のお名前は控えさせていただきましたが、議事録は公表いたしてまいりました。

 私は、各省庁それぞれの審議会において、その内容や性格に応じてできる限りの透明性を図っておると思いますが、全体を把握しているわけではありません。なお一層の努力をさせていただきたいと存じます。

○宇佐美委員

 時間が参りました。住専問題につきましても、先ほどから申し上げているように、できる限り情報を徹底的に出していくという姿勢を政府としても示していただきたい。また、一般の情報に関しましても、行政の情報をできる限り開示していく、この姿勢を示していただきたいと思います。

 以上、ありがとうございました。