「危険で高いパーキングメーターよりも便利で安い民間駐車場を」

○宇佐美委員

 新党さきがけの宇佐美登でございます。

 本日は、交通安全の中でもとりわけというのでしょうか、目に余るような違法駐車の現状について御質問をさせていただきたいと思います。

 バブルの後、少しずつではありますけれども、私の目から見まして、都市部において、六本木、銀座、赤坂等を見ている中で、違法駐車というもの、夜間は少しずつ少なくなっているようにはお見受けするのですけれども、それでも平日のビジネスタウンにおいては、まだまだ違法駐車があるかと思います。

 現在の年間の違法駐車の数についてお伺いしますけれども、取り締まり件数、実際に違法として取り締まった件数と、それから、実際の違法駐車というのはさらに数が大きいものがあると思います、その総量の類推というもの、どのように警察として把握なさっていますか。

○田中(節)政府委員

 委員御指摘の違法駐車の状況でございますけれども、平成七年中の違法駐車の取り締まり件数は全国で二百五十三万八千八百二十九件となっておりまして、交通違反検挙件数全体の約三〇・四%を占めております。

 その取り締まり件数に比べまして違法駐車の状況はどうかというお話でございますが、これはサンプルでございますが、違法駐車の台数は、東京、大阪の例で申し上げますと、平成七年五月に、ある瞬間の路上駐車の状況を調べたものでございますが、東京都内では、瞬間路上駐車台数は約十六万台、そのうち違法駐車台数は約十二万七千台、それから大阪市内では、瞬間路上駐車台数が約二十七万四千台、うち違法駐車台数が約二十二万台というふうになっております。

 ただ、この数字は、平成三年に道交法の改正がございまして、また各府県で駐車違反の防止条例もつくっておりますので、平成二年当時から比べますと、法改正後は委員御指摘のように減っているという状況でございます。

○宇佐美委員

 東京でいえば、瞬間で違法駐車十二万台ということで、単純に三百六十五倍していいのかといえば、正しくはないのでしょうけれども、わかりやすくするために三百六十五を掛けますと、東京だけでも一年間で四千万台、瞬間でありますけれども、違法駐車があるわけでございます。大阪の数字は、東京の大体倍ぐらい違法駐車があるわけですから、推して知るべしの数字であるかと思います。

 ということは、だんだん少しずつ減ってはきているといいますけれども、繰り返しますが、まだまだ違法駐車があるんだと思います。その違法駐車の抑止対策としてどのようなものを講じているのか、具体的にお答えいただければと思います。

○田中(節)政府委員

 まず、私どもの方から御答弁申し上げます。

 都市部を中心といたしました違法駐車の問題は、基本的には駐車の需要と容量のアンバランス、より根源的にはドライバーの意識とかマナーにかかわるものが原因だというふうに認識しております。

 抜本的な対策といたしましては、駐車容量の拡大あるいは駐車需要の軽減、駐車モラル向上の施策というのを同時並行かつ着実に推進していく必要があるわけでございます。私どもといたしましては、現在の都市の状況あるいは道路の状況を前提といたしまして、パーキングメーター等の整備拡充あるいは駐車誘導システム等の整備拡充、あるいは、悪質・危険性、迷惑性の高い違反に重点を志向した取り締まりを行う、そのほか、関係機関、団体によりますところの駐車モラルの向上対策あるいは路外駐車場の整備等の総合対策が効果的に推進されるよう要請をしておるというのが実情でございます。

○橋本政府委員

 都市部におきます駐車場は、御指摘のように大変不足しているということでございます。このため、民間駐車場に対しまして、低利融資制度あるいは税の優遇措置あるいは建築物に対する附置義務等により、一時預かり駐車場の整備を推進してきております。

 これによりまして、駐車場法に基づく届け出駐車場の台数につきましては、平成三年三月末時点で約百万台でございましたが、平成七年三月末までには約百二十七万台まで整備が進んでいるということでございます。これらにつきましても、充足率にしますとまだ六〇%付近という程度と認識しております。

○宇佐美委員

 今の百二十七万台というのは、時間貸し駐車場の一時預かりの数字ですね、それが充足率六〇%というお答えだったわけです。東京近辺に関して言えば、違法駐車の数、先ほど警察の話があったように、瞬間で十二万七千台あったわけですから、充足率六〇%という数字、どういう分母でどういう分子なのかちょっと理解しがたいのですけれども、まだまだニーズがあるんだというふうに思うわけであります。

 警察庁の方からは、パーキングメーターの拡充という話が出てまいりました。この近辺でも、至るところ、大体三車線以上、上下四車線、六車線以上のところにあるわけですけれども、結局パーキングメーターというのは道路を駐車場として使っているわけですから、その目的、結果というものは推して知るべしなわけであります。

 例えば、パーキングメーターが一時間三百円というところが私の近隣でもございます。同じ場所で、目の前にといったら語弊がありますけれども、ほんの十メートル真横に、パーキングメーター一時間三百円のところに、時間貸し駐車場、そこは土地を借り上げて、固定資産税はもちろん貸し主が払っているわけですけれども、それも含めた形で一時間二百円の時間貸し駐車場があります。こちらは何時間とめてもいいわけでございます。二時間とめればその倍、当たり前です。片方のパーキングメーターは、一時間以上とめれば、例えば営業の仕事で交渉が長引いていく、一時間半たっていくうちに、チェックしに来る方々がいるわけですね、チェックしに来て、違法駐車というような形で検挙される場合もあるわけであります。

 どちらがユーザーにとって得か、使いやすいかといえば、できる限りの時間、好きな時間だけとめられる。先ほども申し上げたように、六十分で二百円のところは三十分で百円、大体百円単位でやられているわけなのですけれども、その効率を見たときに、民間がそれだけ安くやれているにもかかわらず、パーキングメーターは時に高い場合もあるわけであります。

 パーキングメーターの数というものは今どれぐらいのふえ方をしているのか、年度ごとの数字で、情報として教えてください。

○田中(節)政府委員

 お答えいたします。

 パーキングメーターの数の変遷でございますけれども、平成三年から平成七年、過去五年間の数字について申し上げますと、平成三年が二万四千八百四十九基、平成四年が二万七千八基、平成五年が二万七千五百三十三基、平成六年が二万七千七百十七基、平成七年が二万七千六百五十九基となっております。

○宇佐美委員

 つまり、平成六年から平成七年で減ったという認識でよろしいですね。平成六年が二万七千七百十七で平成七年が二万七千六百五十九ですから、一時的にせよパーキングメーターを減らしているのだというふうに思います。

 というのも、繰り返しになりますけれども、道路を駐車場として使っているわけでありますから、当然円滑化が阻まれない形でのパーキングメーターの設置ではあるかと思いますけれども、近くの、例えば広尾でいえば、目の前に明治屋さんというスーパーがあって、そこはパーキングメーターがあるのですね。そうすると、そこのパーキングメーターの車と明治屋に入る車、土日になりますと物すごい渋滞になるわけであります。さらに、この年度末になれば工事工事という形で都内の道路は本当に動かない、一日じゅう動かない状態になっているのも現実だと思います。

 パーキングメーターの存在そのものを私は非常に否定的に考えております。民間ができる限り道路ではないところに駐車場、一時預かり時間貸し駐車場ができるように整備を進めていくべきだと考えるわけでございます。

 民間の時間貸し駐車場の状況というものは現在どのようになっておるのか、建設省の方からお答えいただければと思います。

○橋本政府委員

 民間の時間貸し駐車場につきましては、地方公共団体によりまして、その都市ごとに駐車場整備計画を策定するとか駐車場整備のマスタープランを策定するということで整備の促進に努めているところでございます。あわせまして、いろいろな支援施策もこれらに講じているところでありまして、先ほど申し上げましたとおり、一時預かりの駐車場につきましては、平成六年度末で百二十七万台、平成七年度末で百三十四万台程度の整備を見込んでいるところでございます。

○宇佐美委員

 百三十四万台の時間貸し駐車場があるということなのですが、この数字的把握は五百平米以上の駐車場だと聞いております。つまり百六十坪ですか、大体二十台ぐらい入る規模の駐車場以上のものを届け出という形で受けている数字だと思います。

 現実には、二十三区近辺でいえば、駐車場二十台以上の土地、百六十坪というのは、坪当たりの単価から計算してみればすぐわかることですけれども、そんな大きな規模の駐車場というのは非常に現実的ではないというのが正直なところだと思います。それより以下、極論を言えば、一台とか二台とかいうところで、ペンシルビルとペンシルビルの間にある余った土地を何とかしなければならないという中で時間貸し駐車場になさっている地域もあるかと思います。今後、そのような数字も把握しなければいけないのだと思います。

 というのも、今後議論されると思いますが、三月十二日の中央交通安全対策会議の交通安全基本計画によりますと、「短時間駐車の需要、路外駐車場の整備状況等を勘案しながら、交通の安全と円滑上支障がない場所については駐車の効用にも配意し、週末等における駐(停)車禁止規制の解除、パーキングメーター等の設置」などなどというふうに書かれているわけであります。「路外駐車場の整備状況等を勘案しながら、」というわけですから、十二分な調査がなされなければ勘案することもできないわけであります。

 五百平米以上の数字というものは、私はもっと小さくすべきだと思います。ただ、届け出という、行政手続的には民間に対して負担をさせるわけでありますから、繰り返しになりますけれども、それに応じた税制なり、また、時に補助金という形もあります、低利融資という形もあります、方策をしなければいけないかと思います。

 これまでなされてきた制度的方策については今局長からお答えいただきましたけれども、今後何らかの制度的方策というものをお考えいただいているのかどうか、お答えいただければと思います。

○橋本政府委員

 民間の一時駐車場の整備を促進するために、先ほども御説明いたしましたがいろいろな融資を考えておりまして、道路開発資金あるいは日本開発銀行、民間都市開発推進機構等による低利融資あるいはNTT―Cによる無利子貸し付け融資、いろいろございます。そういう中で、例えば道路開発資金等につきましては、道路事業の一環として、百台以上、機械式にあっては三十台以上のものについて一時預かり駐車場として低利融資をしております。

 そういう意味で、これら以外の施策についての検討も必要とは考えますが、従来あるこの制度を十分活用して整備が促進されるように努めてまいりたいと考えております。

○宇佐美委員

 繰り返しになりますけれども、今の低利融資でいえば百台以上という基準があるわけでございます。百台以上と申しますと、大体二千五百平米ぐらいですか、その広さが必要になるのですね。そうすると、東京二十三区、繁華街においてそのような土地が、駐車場のみとして使う、時には地下に掘っていくこともあります、赤坂でも今この低利融資等に沿ってやられているわけですけれども、現実的な数字に引き下げることが何にしましても肝要、重要であるかと思いますので、その点について検討していっていただきたいと思います。民間駐車場がこれまで交通安全に対して行ってきた功績というものが十二分に勘案されるようお願いを申し上げたいと思います。

 共同駐車場整備促進事業等による低利融資、もう一つの問題点は、低利融資ということでお答えいただいたわけですけれども、現在非常に市場金利の低い中で、開発銀行の金利というものが時に逆ざやになっておりまして、一般融資よりも高い場合もあります。NTT―C等安いもの、無利子融資もございますから一概には言うことができませんけれども、低利融資という方策よりも、この地域でいえば、非常に高い固定資産税を払っているわけでございますから、その点について、租税特別措置を含め税制的な優遇も考えていく必要があると思います。これは、繰り返しになりますけれども、一部の時間貸し駐車場を経営している方が得をするのではなくて、そこにとめることができる自動車ユーザーが得をすることに結果としてなるかと思います。

 パーキングメーターの話に戻せば、今時間貸し駐車場の中では電話予約をすることができるものがあると聞いております。六本木等で電話をして行く。というのも、行き先に着いたときに、時間貸し駐車場がたくさんあると聞きながらも満杯になっていて入れられない、仕方なく違法駐車をする場合もあるかと思います。それをなくすためにも、まず電話で時間貸し駐車場を予約できる、そのようなシステムもあるわけです。パーキングメーターと比較しても、民間のそういうような努力を促進する方策、政策というものをやっていくのが必要だと思っております。ぜひその点について御検討をいただきたいと思います。

 次に、残り三分ほどでございますけれども、チャイルドシートのことについてお話をさせていただきたいと思います。

 私も一歳の赤ちゃんを持つ父親としまして、生後一週間のときから、車で動くときには三カ月以内の赤ちゃん用のもので運んだわけでありますし、三カ月を超えてからは普通のチャイルドシートで車に乗せているわけですけれども、このチャイルドシートの義務化というのは、欧米の先進諸国としては当たり前のこととして行われております。

 昨年のこの委員会におきましても、藤田議員の方からその関連の質問もあったかと思います。普及率が高まってからチャイルドシートの義務化というものが必要なのだというような議論もあるかと思いますけれども、まずは義務化を行って、一昨年ですか、子どもの権利条約ということで、一人一人の子供の大事さ、当たり前のことですけれども権利も保障されている昨今でございますから、まだ意思のないころから、ぜひとも安全な交通というものに即する必要があるのだと思います。

 チャイルドシートの義務化について、その方向性というものをお示しいただきたいと思います。

○田中(節)政府委員

 チャイルドシートの義務化につきましては、委員御指摘のように、昨年にも藤田委員から同じような御質問がございました。

 チャイルドシートの着装を法的に義務化するということにつきまして検討はしているわけでございますけれども、現在の普及率、着装率は、極めて低い七%を若干超えるぐらいの数字で推移しております。また、国民に新たな経済的負担を課すということにもなりますので、国民の間に、チャイルドシートが子供の安全の確保のためにいかに大事であるか、いかに有効であるかということにつきまして十二分に御認識を持っていただく、そしてある程度の理解を得た、ある程度の着装の状況、実態が出てきたというようなことを踏まえて初めて法的措置について検討してまいりたいというのが、私どもの現在考えているところでございます。

○宇佐美委員

 検討をするということを繰り返されているわけですけれども、ならば、例えば六歳以下の子供が自動車に同乗をしておりまして事故が起きたときに、運転者やまた他の大人の同乗者と比べてけががどれだけ重いかとか、どれだけ命を落としてしまった率が高いかとか、そういうような数字は警察庁として持っていられるのですか。持っていられるとしたら、お答えできる範囲でお答えいただきたいと思います。

○田中(節)政府委員

 今委員御指摘のような、例えば後部座席に六歳以下の幼児が乗っていた場合の交通事故があった場合の受傷の程度、状況等につきましての詳細なデータは、現在手元には持っておりません。今後、そういうような分析も含めて法制化の際には十分検討してまいりたいというふうに思っております。

○宇佐美委員

 今、六歳以下の子供が後部座席に乗っている場合のというふうに局長おっしゃいましたけれども、日本の中で子供が乗っているときには往々にして助手席に乗っている場合が多いのだと思います。ですから、調べる際にはそのような現状を十二分に見詰めながらしっかりとした数字を調べていただきたいと思います。
 カリフォルニア州におきましては、二人乗りの車の場合には子供を乗せることができませんし、四人乗りの場合におきましても、もしくは五人乗りの場合も後部座席しか乗せることはできません。かつ、六歳以下の場合にはチャイルドシートをつけなければいけないということが法律的に決められておりまして、この罰則というものは本当に厳しいわけであります。
 日本人がアメリカに留学したときに、スーパーに行くということで子供を車の中にしばらくの間放置しただけで、人だかりができた上、警察が来てガラスを割って救出していたということもあります。それぐらい子供が車の中にいての安全というもの、動いているときもとまっているときも非常に厳格に処置をされているということを十二分に御議論、御検討いただいた上で、できる限り早急に答えを出していただきたいと思います。

 以上です。